作品のご紹介&感想
オンライン恋愛小説ファンを震撼させた(オーバーではなくホントのコトです)出来事から早数日。同じ思いの皆様のおかげで、落ち着きを取り戻せた私メでありますが、困ったことに、それ以前にやりかけていたことの続きをする気になれないでおります。何度か試みたのですが、どうにもこうにも、気持ちが乗ってこないのですわん。 パソコン画面を開いても、更新や御返事とは全く関係のないことをしてみたり、うろうろネットサーフィンをしてみたり…根っこが気分やで怠け者の私メは、時折りこういう状態になりますが、無為に時間だけが過ぎていく…。お待ちいただいている皆様には申し訳ないのですが、この怠惰な状況を打破するためにも、気分を一新するためにも、ひとまずインターミッションを入れます。ということで、大長編特集のご紹介その他諸々は、ちょっと横に置いておいての、本編のご紹介です。
本編は、
オンライン小説のランキングサイト
【ネット小説ランキング】女性向き恋愛(年齢制限あり部門)堂々一位の作品です。実は、大きな声では申せませんが、ネットでランキングと名のつくものほど宛てにならないものはないと密かに思っていた私メ。なにしろ、ランキングといっても、エントリーされている作品の数自体がそれほど多くはなく(100前後)しかも、ランキング順位とは、要は、そのランキングサイトへのクリック数の多さを競うものだからです。極端な話ですが、たとえ一週間に10人しか閲覧する人がいない
オンライン小説でも、その10人が10人、同じ週に一回クリック(投票)すれば、たちまち(その週は)ランキングの上位に躍り出てしまうというしくみ。
もちろん、
オンライン小説の読者はロム専の方がほとんどですから、10人しかいない読者の全てがクリック(投票)することなんて、まずありえません。読者がクリックなさる確立は、1/100 か、1/500か、もしかしたら 1/1000かもしれません。つまり、一回のクリック、一票の投票の後ろには、その何百倍もの読者の支持があるはずであり、だからこそたとえ一週間に10回のクリック、10票であっても、重みと価値がある…ということは充分理解できるのですが、それにしても、意図的な操作をしようと思えばそれが容易く、1000人の声なき読者に支持された作品よりも、10人の固定的な協力者がいる作品の方がランキングには有利という事実は否めません。
さすがにベスト10にある作品の多くはネットではメジャーな作品が多く、それなりに読み応えのある
オンライン小説が多いのですが、既読の場合が多く、私的には余り目新しい情報ではありません。かといって、ランキングが少し下がっていくだけでかなり怪しくなってゆきます。納得しないままに読み終わってから、もう一度よくよく確認すると獲得票は一週間に5票とか3票、ひどい時は1票とか。それでも、トップページに表示されているわけですから、それに気づかず、ランキングという言葉を頭から信用して片っ端から読んでいた時は随分期待を裏切られたものです。
そんな事が続いたものですから、今はもう、伺うことさえ稀になってしまったランキングサイトさまだったのです。ところがです、先日、本当に久しぶりに伺ったところ、見たことも聞いたこと?もない本編が一位にランキングされております。何の気なしに読ませていただいたところ、その面白さにビックリ仰天しつつイッキ読みしてしまいました!!
本編は日頃私メが新作発掘?のテリトリーとしております
オンライン小説の検索サイトさまなどでは登録できないことが多い「小説家になろう」の投稿作品。自サイトを持っていない方の作品にも門戸を開いているランキングサイト様であればこそ、こうして日の目?を浴び、私メも拝読する機会を得ることができた作品なわけです。ランキングサイトさまを見切った気分で、チェックを怠っていた自分が恥ずかしい!!ランキングサイトさまお許しくださいませ~!!そしてありがとうございます~~!!本編の読後には感激のあまり、ランキングサイトさまへの今までの謝罪と感謝も込めて投票してしまいましたよん♪おっもしろいですよ~~!!
気取りがないくだけた語調の作者さまのご説明と
R18の指定から、H系作品だろうなとは予想がついたのですが、それにしてもおもしろすぎる!中世ヒストリカル風に幕開けする物語なのですが、そのドラマティックな舞台設定に、文章も、ストーリー展開もちっとも負けていない物語でした。物語が進むにつれて、本編が普通のヒストリカルロマンスではないことに読者は気づかされますが、それによって落胆を感じることも、作品の魅力が色褪せて見えることもなく、むしろもっと引きこまれてゆくのです。
RPG(ロールプレイングゲーム)には、剣や魔法や医術、それぞれが得意とする分野が違う剣士や魔法使いたちが同一の目的のために少人数のグループ(パーティー)を組み、一緒に冒険の旅に出るジャンルがあるようです。ネットには、それらを含めてPRGの影響が色濃く表れた
オンライン小説は多いのですが、何度も申し上げたように、それらが少々苦手なはっちです。なにしろゲーマーでないはっち的には、それらの作品は、魔法や剣が幅をきかせた戦闘シーンの比重が重過ぎますし、その作品世界の中のお約束事の説明がくどすぎたり、あるいは省かれ過ぎて、わけがわからなくなることがよくあるのです。とにかく物語全体が、舞台設定に頼りすぎているように感じられ、その結果、そこで繰り広げられるキャラたちのドラマがその特異な舞台設定に喰われて、霞んでしまうことが多い―それが、私メがRPG系の作品が苦手な理由です。しかし、本編は、作品の舞台設定にはRPGの影響が伺われるものの、それに当てはまりません。
剣と魔法がそれなりに幅をきかせる世界の物語ではありますが、メインはあくまでこの作品世界で繰り広げられる恋愛ドラマであり、またそれが最高!特に、ヒロインとヒーローの人物設定と心理描写がとにかく私メ的に絶品です。ヒーローの謎を明かしてしまうと、おもしろさが半減してしまうので、詳しくは申せませんが、掴み何処がなくて、金に汚くて、嘘が巧くて、ずる賢くて、究極のエゴイストで女好きなくせに、真実女に甘くなるのはベッドの中だけという、下半身にも精神にも節操と道徳観念のない、人間的にはかなり難ありのヒーローがなんとも魅力的すぎて、降参です。
一つ間違えれば、女性読者の大ブーイング間違いなしのヒーローなのですが、そうはならないでしょう。どうにもこうにも、惚れた弱み?で、それだけの男ではないような気がして、気持ちがひっぱられるのは私メだけではないはずです。気丈で賢明なヒロインが、自分の手には余る男であると頭では理解しながらも、彼へ惹かれる気持ちが抑えきれなくなる、その心境が実によくわかります。悪い男にひっかかった女性は、すべからくこんな気持ちになるのかもしれません。
シリーズ連作ですが、一話一話が起伏に富んだストーリーで、読者は文句なく、このエロティックでファンタジックで、時にはシリアスな物語を楽しませていただけます。情事は重ねるたびに深くなりますが、ヒーローがヒロインへ向ける気持ちは肝心要の部分が実に曖昧でして、ジレジレやきもきもまた堪能できます。こういう男がそうそう簡単に自分の心を女性に明け渡すはずもないので、そこがまたリアリティがあってヨカッタです。文章も読みやすくわかりやすく、丁寧で簡潔です。そのおかげではっち的には苦手な魔法系不思議描写も悩むことなくその情景を思い浮かべることができました。心理描写も実に巧みで、特に、ヒロインがヒーローに翻弄されながらも、自身の心情や彼を冷静シビアに見つめて推し量るのは小気味よく、この物語のおもしろさはそれに負うところが大きいのではないかと思いました。それでも最後には心と体が文字通り陥落して、ヒーローを求めてしまう情事のシーンは、事前と最中?の葛藤とその心理描写の妙があるからこそ、一層官能的でした。
ご注意:物語は現在も連載中ですが、佳境に差し掛かっております。ご紹介の時点(2008.11月)では肩の力を抜いて楽しめる作品であるとご紹介させて戴きましたが、2009.2月現在、ここにきて作品の雰囲気が一変してしまうほどの衝撃的な痛い展開になっております。作品のおもしろさは変わりませんし、痛くはあっても、だからこそ、この先がどうなるのか気になって仕方がないはっちでありますが、苦手な方はよくよくご注意くださいませ。
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