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作品のご紹介&感想 随分以前から検索サーチなどで、その存在だけは存じ上げていた
オンライン小説なのですが、作品の説明文にあった「動乱の時代・革命・少女・友情」という言葉に、勝手に、格闘系もしくは戦記系のRPG風作品だとばかり思い込み、長い間、読むのを尻込みしていた
オンライン小説です。ところが、さるオンノベのレビューサイト様でこの作品が紹介され、しかも、その熱の入ったご感想によるとどうやら、私メ好みのヒーローが登場しているご様子…。つまり、アレです、アレ、私メの趣味をご存知のご常連さまならすぐ

のあのタイプのヒーローがよいお仕事をなさっているらしい…。さて、それを知ったからには、無類のそれ系ヒーロー好きの私メとしてはもう、キャラが格闘していようが、戦争していようが、たとえ苦手なRPG風作品だろうが、ともかくも、一度伺わずにはいられなくなりました。我ながらなんと現金な(~_~;)そして伺ったところ…見事にバ・キュ~ンされてきました!ド真ん中を打ち抜かれましたよん♪しかも嬉しいことに、本編は確かに動乱の時代に生きる戦う少女がヒロインの作品ではありましたし、戦闘場面は実に迫力がありましたが、私が思い込んでいたような、それに終始している物語なわけでも、それがメインの作品でもなく、メインはあくまでヒロインのそして彼女をとりまくキャラたちの恋愛でありました。(少なくとも私メはそれを大いに楽しませていただくことができました)おっもしろいです!
見覚えのある固有名詞が色々とでてまいりますが、物語の舞台は、日本に似ていて日本に非ずの異世界であると考えてよいかと思います。あるいは何かの異変で、それ以前の社会構造、歴史文化が全て翻されてしまった近未来?かもわかりませんが、それについてはさほど深く説明はされてはおりませんし、近未来であろうが、異世界であろうが、本編を楽しむに全く関係ありません。絶対的な権力者「大将軍」と彼の血族が国を支配し、身分に応じて人々がその生きる場所を、七つの地域(都)に分けられた世界。その第七都はもっとも虐げられた最下層の身分の人々が暮らす地域であると同時に、罪人が身分を奪われて落とされる場所でもあり、また、大将軍を頂とする中央政権を倒そうとする抵抗勢力(レジスタンス)が集い根城とする土地でもあります。
ヒロイン「七都」の名前は、彼女が生まれ育ったその街の名前からきておりますが、彼女の母「凛々子」も元はといえば、レジスタンスが倒そうとしている大将軍の娘です。罪を問われて第七都に落とされた後、武勇と智略に優れた彼女が旗頭となりレジスタンスを率いたからこそ、彼らも正規軍と互角に戦ってこれたのですが、物語はその彼女の死で幕を開けます。母を失った七都は、直後に姉とも生き別れてしまいます。
姉である「優花」―彼女は第二のヒロインと言えるのですが、七都との別離の後、彼女もまたその美しさゆえに過酷な運命にさらされます。そして庇護者たる母と姉を失った七都が身を寄せる教会で出会う「聖羅」―後々明らかになってまいりますが、彼女もまた峻烈な過去を持つ少女であり、七都との出会いはその後の彼女の運命を大きく変えます。姉である優花が第二のヒロインであれば、七都の無二の友となる彼女は第三のヒロインといってよいでしょう。七都がもちろんその中心ではありますが、本編は、この三人の少女をめぐる物語であり、同時に、ヒロインをめぐる二人の男の、そして一人の男をめぐる二人のヒロインの物語でもあるのです。誰と誰がその三角関係を築く?ことになるのか、それは読まれてからのお楽しみですが、優美で柔和な姿に似合わぬ悲惨な過去と過酷な運命を持つ異国の青年「群青(ぐんじょう)」、七都が戦場で出会うことになる傲慢苛烈な敵将「煌(あきら)」、その従兄弟であり煌と同じく正規軍を率いる「紅雅(こうが)」、流れ着いた第七都で新たな愛と人生に賭ける過去ある男「尚釉(しょうゆう)」―等など、男性陣もヒロインたちに劣らぬ魅力的な人物が登場することだけは確かです。節操のない私メはもう目移りしながらもヤラレっぱなしでした。当然彼らの一人は私メの愛するアレ系のヒーローでありまして、もう、その期待以上のその人となり、お働き(?)に、くらくらのメロメロとなったはっちであります…(~_~;)
ともかく、この
オンライン小説に登場するキャラは、誰もが存在感と説得力があり、その人物設定、描写は逸品なのです。キャラたちの運命の糸は複雑に絡み合い、その劇的な因縁や関係性がまた、物語をこの上なく盛り上げ、そしておもしろくさせているのです。そしてそれを紡ぐ文章は、読みやすく、わかりやすく、簡潔で丁寧で正確です。ある意味淡白ともいえる癖のない素直な文章ですが、そのおかげで読者は感情過多に無駄に煽られることなく、この劇的な物語を落ち着いて味わうことができます。なにより、文体で煽られずとも、魅力的なキャラたちが織り成す波乱万丈のストーリーに、読者としての感情は揺さぶられっぱなしですが…。
本編はまだ連載中ですが、現在、一番の佳境に差し掛かったところではないかと思われます。起こるべきことが全て起きてしまい、どきどきはらはら読み進んできた読者が、あぁぁ~!これから、一体どうなるのよおぉぉ~!!!!と、思わず絶叫したくなる状況になっております。
「テンペスト」 [絵]高見澤繭さまサイトは本編の作者である桜沢様と絵を担当なさる高見澤繭様の共同サイトとなっております。そしてまた、数は少ないのですが、高見澤繭様の描かれるところの本編の美麗かつドラマティックな挿絵がご覧の通り、もう、すばらしいとしか申せません。すってきっ!これまたバ・キュ~ンです!!ぜひ、皆様も本編とあわせて、視覚からも、バ・キュ~~ン!!されてきてくださいませ~!!
入り口から【文】⇒【七都】とお進みください。本編のイラスト作品は【七都】の中の【Gallary】で、高見澤繭様のそれ以外の作品は入り口⇒【絵】から拝見することができます。桜沢麗奈様・高見澤繭様のサイトはこちら 

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