Cocktail Break      
大人の女性のロマンチシズムとエロチシズムを快く刺激する、すてきなオンライン小説、イラスト、コミックを、
         有名無名、年齢制限あるなしにかかわらず、はっちがご紹介してまいります。
            女性向きですが B L はありません♪
                                                
NOVEL 歴史 
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 風 切 弓 ・短編 /完結/ 歴史 和風ファンタジー
 塔の中の姫君 ・短編 /完結/ 歴史
 オ ダ リ ス ク ・長編 /完結/ 歴史
 伝 小 橋 ・長編 /連載中/ 歴史
 絵 師 の 恋 人 ・短編 /完結/ 歴史 ・年齢差 初恋
 モロッコの薔薇 ・短編 /完結/ 歴史 ・年齢差 初恋
 招 魂 の 香 ・長編 /完結/ 和風ファンタジー
 水、流るる如く ・長編 /完結/ 歴史 和風ファンタジー ・年齢差
 伊勢物語によせて ・短編 /完結/ 歴史
 花 鎮 祭 ・短編 /完結/ 歴史 和風ファンタジー

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・短編 /完結/ 歴史 和風ファンタジー
          風 切 弓 
SITE NAME  :   viscaria    

MASTER  :   汐 崎 雪 野 様    http://viscaria.ifdef.jp

CAUTION :  年齢制限は設けられていない作品  性的(性交)シーンがある作品  レイプシーンがある作品

STORY ;
古代日本、兄王の命を受け、生贄を救うために、伝説の神器、風切弓をひく弟王子。しかし、それは彼を陥れようとする兄王の謀だった。命を助けられた美しい生贄の娘は、弟王子をかって彼が滅ぼした国の落人たちが住まう隠れ里へと誘う。弟王子は、兄への復讐を誓い、彼と彼の国への反逆の旗頭となる。滾る兄への怒りと憎しみを、その美しい射干玉色の髪の娘にぶつけながら・・・。
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INTRODUCTION :  
まず、私は、この作者さまの、まるで、叙事詩のように物語を語る、クリスタルのような硬質さと透明感、輝きをあわせもつ、美しい文章が大好きなのです!個性的で、ある意味癖が強いのですが、好きな方にはたまらない文体だと思います。地の文だけで、ロマンとドラマを感じてしまうのは私だけでしょうか?
ストーリーも、いいです。なにしろ、古代日本を題材とした作品。神の武器、風切弓がちょっと、ファンタジックなのですが、あえて、歴史ものと分類させていただきます。男尊女卑の極みの時代。自分がそんな時代に生まれたいとは絶対に思いませんが、作品の舞台としては、なんと魅力的な時代でしょう。日本史上、国が起きようとしているドラマティックで黎明の時代、流血と、反逆が日常茶飯事のその時代にふさわしく、男たちも、また荒々しく、猛々しく、野蛮で激しい。短い物語ながら、全編にその雰囲気にあふれています。原始の時代の、男性の魂が、ほとんどそのまま残っていて、それに卑しさを引き、知性と傲慢と誇りをプラスしたら、こういう男(弟王子)になるんだろうなと思いました。(そこに優しさがはいる余地はなし!)
作者さまの文体と、この時代背景、そして物語が、マッチして最高の効果をあげていると思います。
この弟王子と、助けた生贄の娘との会話や情事のシーンは、それほどページをさいているとも思えないのですが、非常に印象的かつ、官能的です。この時代そのままの男の傲慢と激情、そしてその男の力に屈しながら、静謐の中で燃える女の情念はまさにドラマティック!特に最初の情事のシーンでは、後日の伏線ともなる、弓で娘の指が傷つき、血が流れる描写が、読んでいてぞくりとしました。
古代日本史がお好きで、しかもフェミニストでないヒーローもOKな方には、絶対お薦めの作品です。
ご紹介した作品とは対照的に、騎士道精神流れるサイトの看板小説「ビスカリアの星」も個人的には非常にツボです。(^v^)

絵のお部屋のすてきなイラスト作品もお薦めです。驚くほど多作でいらっしゃるので、絶対にお気に入りの一作が見つかると思います。 イラスト作品のご紹介は こちら


汐崎雪野様のサイトはこちら ちな♪

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・短編 /完結/ 歴史
          塔の中の姫君 
SITE NAME  :   夢 紡 ぎ の 歌   http://dreamweave.arrow.jp/
            
MASTER  :   松木 響子 様  

CAUTION :   年齢制限は設けられていない作品  性的(性交)シーンはないが官能的な雰囲気がある作品

STORY ;
姫君は産まれたときから、予言されていた。『父親を殺す者を娶るであろう』と。 それゆえに塔に幽閉された姫君は、父王への呪詛の言葉を吐きながら、自分を救いに来る勇者を、まだ見ぬ恋人を待っていた。 けれども、彼女を塔から解放したのは、夢見ていた凛々しい若者などではなく、獅子のたてがみのような赤銅色の髪をもつ、残虐な略奪者たちの王だった・・。 滅びの予言に翻弄された姫の物語。            
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INTRODUCTION :  
舞台は、古代ヨーロッパ、民族大移動の時代。ブリタニア(今のイギリス)に侵攻してきた、アングル族の王とケルト?の姫との物語。設定からしてドラマティックです。この時代の日本は大和朝廷の黎明期。日本は古事記以前の歴史は一応白紙ですから、歴史上では、他国からの侵略の歴史はない単一民族ということになっていますが、大和朝廷のルーツは大陸からの侵略者ではないかという説も有力ですから、こういう雰囲気ももしかして、あったのかもしれません。
短編ながらも、この荒々しく猛々しい、エネルギッシュな時代の息吹を感じる作品です。

生まれた時から滅びの予言に翻弄され、塔に幽閉されてきた、いわば、生きながら飼い殺しのような状態で日々を過ごしてきた姫君が、ある日突然、父王の命を奪った侵略者に解放され、激動の運命の中へ投げ込まれる。美しくたおやかな姫と、荒々しく猛々しい侵略者の王。姫は金髪で、アングルの王の髪は赤銅色。体格的にも、ラテン系やケルト系の民族に比べて、アングロサクソンのルーツとなったアングル族は、北欧の流れを汲むヨーロッパ人の中でも、ひときわ大きな体格だったはず。そのあたりの雰囲気も作者さまの巧みな人物描写から感じられます。また、おそらくは、かってローマの統治下でその影響を受けたであろうこの国にとって、アングル族は野蛮人としかみえなかったでしょうねえ。その対比もまたイイ!あらゆる意味で、対照的なこの二人がうまくいくはずがない・・!?

体を奪われた女の性か、妻となった後王を愛するようになった姫君を、王はわざと遠ざけ、この傲慢で野蛮な男は愛を否定し、姫君に自分を憎ませます。『そなたは、憎悪に燃えているときが一番美しい』この一言に彼の人間性や心情が凝縮されていますが、絶望した姫君は王の望みどおり、彼を憎み、呪いの言葉を残すのですが、その後・・・・。歪んでいるというか、究極のすれ違いですが、そこがはっち的にツボでした。(笑)

この時代、西洋と言えどもフェミニズムなどありません。日本のその時代と同じく、時代もそして男たちも荒々しく猛々しく傲慢で野蛮です。そしてだからこそエネルギッシュで魅力的ですが、女たちの性と人生は否応もなく男たちの支配下にありました。激動の時代というのは、そこで生きる人々にとってはたまったものではありませんが、時を経て見るには、その影が濃いからこそ光は一層まぶしくみえ、非常にドラマティックです。この作品は、そうした激動の西洋古代史の1シーンを印象的に切り取って見せてくれました。

王との初夜は乱暴なものだったという設定ですがそのシーンはありません。性的なシーンや性的な描写もほとんどないのですが、この時代と、そこに生きた一組の男女の姿として、非常にドラマティックで、だからこそロマンとエロスを感じました。

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・長編 /完結/ 歴史
          オ ダ リ ス ク 
SITE NAME  :   ワカメノ浅知恵   
            http://www.tinaco.sakura.ne.jp/

MASTNER  :  ち な こ  様  
    
CAUTION :  年齢制限は設けられていない作品  性的(性交)シーンがある作品  レイプシーンがある作品

STORY ;
Odalisque(オダリスク)――後宮の女奴隷のこと。
ツイーは、十四の年に後宮に入った。皇帝(スルタン)に捨て置かれた女―彼女は六年の間、そう呼ばれ続けていた。母国を皇帝の初陣の贄として攻められ、父王を殺された朝に操を奪われて以来、皇帝がツイーに触れることはない。それでも彼は、時折ツイーの部屋を訪れては、香時計から細く白い煙がたちのぼるわずかの時間だけ、広い寝台に一人横たわる。その間、ツイーは窓辺に坐りながら、失われた母国への哀悼と鎮魂の歌をひとり口ずさむ。彼女は気づかなかった。皇帝がいつも、空寝をしながら彼女の歌声を聞いていることに・・・。
                                            
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人質として後宮へ入った王女と、年若い皇帝の物語。


INTRODUCTION  : 
この作者さまが描くヒストリカルの後宮もの?は、もう逸品です。アングルのあの名画オダリスクを彷彿させる世界なのです。トルコの後宮、オダリスク、女奴隷。女性たちが、たった一人の権力者の寵愛と関心を買うためだけに存在する世界。かってトルコが世界の覇者だった時代、皇帝(スルタン)の後宮には世界中の女達が集められたと言われています。大奥などに比べて、それについての情報と知識が私たち日本人には足りない分だけ、一層それはファンタジックで官能的な世界に思えます。かのアングルも、文献と想像だけで、あの官能的な名画を描いたように、この物語もおそらく、ちなこさまのイマジネーションによって彩られた部分が大きいとは思います。それでも、この作品は、私たちが、後宮という言葉にイメージする世界をそのまま、あるいはそれをもっと深く豊かに印象的に描いて見せてくださいました。
薔薇水、ハマム(トルコ風浴場)、白檀の香時計、もう、小道具や細かな舞台の設定とその描写が、憎いくらいお上手です。まるでヨーロッパのミニシアター系の映画を見ているかのようです。この物語を初めて読んだ時、私は思わずアラベスク模様に彩られた宮殿が目に浮かび、しばしトリップしてしまいました。
官能的な舞台ではあっても、直接的な性的表現はほとんどありません。にもかかわらず、全編にはファンタジックでエキゾチックな官能的な香と雰囲気が溢れています。それは鮮烈で、そして不思議な清涼感がありました。読者を酔わせ、魅了する世界であり、物語であり、文章だと思います。あらゆる意味で極上のロマンとエロスを感じることができる作品です。



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・長編 /連載中/ 歴史
          伝 小 橋 
SITE NAME  :   こ と の 葉 館  
            http://kotonoha.no.coocan.jp/ 
 
MASTER  :   流 崎 詠 様  

CAUTION :  年齢制限は設けられていない作品  性的(性交)シーンがある作品  レイプシーンがある作品

STORY ;
199年、後漢(東漢)時代の中国。江北の要衝である皖城で平穏に過ごしていた小橋は、姉と共に「二橋」と呼ばれる絶世の美女である。 が、その平穏は突然に破られた。 生まれ育った皖が落とされ、家族ともども捕虜とされてしまったのだ。 そして彼女の前に現れたのは、才色兼備の青年将軍周瑜だった。三国志に連なる歴史恋愛長編                                           
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 ―――作者さま作品紹介文より

    
INTRODUCTION  : 
オンラインでもペーパーでも、最近の中国を舞台とした物語の台頭は目を見張るものがあります。今まで幾多の小説の題材となり、大河ドラマでも取り上げられ、語り尽くされ、描き尽くされた感のある日本史ものに比べて、中国史は小説の舞台としてまだまだ開拓の余地のある魅力的な舞台だからだと思います。そしてなにしろ中国三千年の歴史は、日本ではそれほど周知されていない魅力的な歴史上の人物の宝庫でもあるからでしょう。

さて、それほど中国史には明るくないはっちでさえも、本編の主人公小橋とその姉大橋の逸話、そしてその夫となる周瑜のことは知っておりました。美周郎と呼ばれるほどの美男で、しかも、三国志で有名な赤壁の戦いで勝利を収めた名軍師さまだったとか。日本では軍師と言えばかの諸葛孔明が大変有名ですが、彼に劣らず才色兼備(男性にこの修辞をつかってよいのだろうか?)の実に魅力的な人物であります。もしかして、日本史で言えば義経クラスかも。

そんな周瑜に娶られることになったこの作品の小橋は、それまで姉の大橋のために、内面の弱さを隠して気丈に振舞っていたのですが、この縁談話が浮上したとたん、一気にその弱さが露呈してしまい、ショックで寝込んでしまいます。慄きながらもモノの様に彼の妻になるになるのは嫌だと宣言する小橋へ周瑜が激しく求婚するシーンは最高におもしろいです。中国を題材とした歴史小説が皆そうであるように、この作品も地の文に漢文的な雰囲気があるのですが、その聊か硬質な文章の上に、周瑜の激情が爆発したようなドラマティックな台詞が飛び交うわけで、その落差といいますか対比が非常に効果的で、そのため、このシーンがいっそう劇的に感じました。

なんやかんやともめた後に二人は晴れて心も体も一つに結ばれるのですが、ここからが、この物語の本当にドラマティックな展開のスタートです。戦地に赴く周瑜の留守中、美貌の小橋に焦がれ道を踏み外そうとしている恋に狂った男が登場します。周瑜もとても魅力的ですが、この周瑜の親友、彼から彼女を託されながら、彼女を奪おうとする張俊という男が不思議な男です。敵役なのか、ブラックヒーローなのか、エゴイスティックな卑怯者なのか、愚で可愛い男なのか、その全てなのか、読んでいてもわからない!でも、目が離せない!小橋は、なんとか、彼も彼の思いも退けようとするのですが、果たしてそれがどうなるのか・・・・・・!

周瑜と小橋、小橋と張俊、彼らが一対一で対峙するシーンの息がつまるような緊迫感がとてもイイです。激しい恋情と欲情でヒロインに迫る男と、彼らの求愛に押されてタジタジのヒロイン。ほとんどが心理的な攻防であり性的な描写はほとんどないのですが、まさに追う男と逃げる女の極みで、非常にドラマティックでエロティックでした。対峙している間、ぎりぎりまで耐え続け、張り詰めた小橋がついに敗れ、男の腕に落ちる姿は、まさに落花という風情であり、その落差もまたエロティックとしかいえません。

最初は焦れ焦れ、やきもき、そして、はらはら、ドキドキ、そして、どろどろ?読者はもう作者さまの筆に翻弄されまくります。読者として、それはなんと楽しいことでしょうか!史実がどうかなどは関係ありません。作者さまが描く中国三国志の時代の絶世の美女の物語を、満喫できるはずです。まだ連載中ですが、アップされてるところまででも充分、一読の価値有りです!

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・短編 /完結/ 歴史 ・年齢差 初恋
          絵 師 の 恋 人 
SITE NAME  :   I’ErreuR  http://erreur.blog42.fc2.com/

MASTER  :   こ れ ゆ き 様    

CAUTION :    年齢制限は設けられていない作品  性的(性交)シーンはないが官能的な雰囲気がある作品

STORY ;
エルバが彼にあったのは、彼女の十四の齢を迎えた祝いの席でのことだった。十四のエルバは自身が、人が褒めるほど美しくはないということを理解できるほどには大人だった。しかし、権勢を誇る父に阿るために集まった人々の真のない褒め言葉を、笑って受け流すことができるほどの大人ではなかった。いたたまれずにその場を逃げ出し、会場の端までたどり着くと、そこに彼がいた。壁際で佇んでいた彼が振り返り、彼女に目を止めた瞬間、世界から音が消えた――。
                                    アイコン本 続きを読む

優しい顔貌の男なのに、視線だけが鋭く人を突き通し、絡んだ視線から、今までと違う世界が生まれていった。ゆっくりと彼はエルバに歩み寄り、膝を折る。

「美しい人。貴女への恋を、私の拙い絵に留めてもよろしいですか」

類い稀なる眼差しと腕をもつ、
絵師アズ・イットとエルバの恋はそこから始まった――。


INTRODUCTION : 
さて、本日はヴァレンタインデーでございます。突発的に、なにかヴァレンタインにちなんだ作品をご紹介したくなりました。チョコにちなんだ物語、あるいは甘〜い恋物語でもご紹介しようかしらと思ったのですが、私メの好きな作風でチョコにも負けない甘さがある作品となりますと、どうしてもロマコメ系になってしまいます。(本気で笑えるロマコメなら実は大好物のはっち)しかし、その中で拙宅のコンセプトにあっている作品は思いつかず・・・ウ〜ん難儀いたしました。

しかし、そんな中、ようやくこの作品を思い出しました。ビタースウィートなチョコレートのような風合いのこの作者さまの作品をです。初読の時から、私にとってこの作者さまの作品、特にこの作品の印象はそれでした。考えてみれば、これほど拙宅のヴァレンタインにふさわしい作品はないように思えます。お子様には楽しめない、大人の味のほろ苦さと甘さ、そして他のどのスウィーツにもないチョコレートだけが持つ官能的な刺激、そんなビターチョコのような味わいがこの作品にはあり、それがまた激しく私の好みでございました。作中にチョコレートがでてくるわけではもちろんございません。しかし、お読みになられた大人の女性読者の皆様は、必ずやはっちの申すところをおわかりいただけるかと存じます。

ヒロインが絵師に出会ったシーンも、また肖像画のモデルとして絵師に描かれるシーンも、そりゃあもう、すばらしいです。直接的な性描写は一切ないにもかかわらず、そのエロティックでいながらロマンティックなこと!視線だけで官能を刺激されるというその描写の情感と情緒は、女性にしか描けず、女性にしか想像できず、作品を通しての疑似体験にせよ女性にしか味わえないものではないかと思います。

淡々と、どこか韻を踏むように重ねていく美しくも読みやすい文章も逸品です。画家とそのモデルが恋に落ちるのはお約束事とも言えますが、ただそれだけではないのです。短い物語ながら、読者をうならせるドラマティックでロマンティックな展開があり、この小さな宝石のような物語は本当に読み応えがあるのです。まるでチョコレートがその小さな一粒の中に濃縮され凝縮された深い味わいが込められているかのように・・・。

ヴァレンタインの日、ご自分のために買った、ちょっとゴージャスなチョコレートなどつまみながら読んでいただきたい作品でございます。

目次から 【小噺】 ⇒ 【絵師の恋人】 とお進みください。

これゆき様のサイトはこちら ちな♪

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・短編 /完結/ 歴史 ・年齢差 初恋
          モロッコの薔薇 
SITE NAME  :   茅葺き屋根の家  
            http://homepage2.nifty.com/chigaya/

MASTER  :    (ちがや) 様    

CAUTION :    年齢制限は設けられていない作品  性的(性交)シーンはないが官能的な雰囲気がある作品

STORY ;
迷宮のようなカスバの中を、ベールをかぶった踊り子の少女が人々の間を急ぐように縫っていく。彼女が目指すのは、香辛料の市場(スーク)の片隅の小さな店。胡散臭い不思議な品々を商う薄暗いその店の主はまだ若い謎めいた男。少女はその男に淡い恋心をいだいていた。 ある日男は、子ども扱いしたことに腹をたてた少女をなだめるためにか、店の奥から小さな薔薇色の小瓶をもってくる。男の故郷と同じところから来たという小瓶。彼がその栓をはずすと、何万という薔薇が一気に開花したような香りが薄暗い店に立ちこめる。小さな瓶に封じ込められていたのは、モロッコの薔薇の香り。遠い目をした男は、震える少女の肌に手ずから香水をつけてゆき、彼女の未来を予言する不思議な言葉をつむぎ出す――。     
                                    アイコン本 続きを読む

INTRODUCTION : 
「文章に癖がある」・「短編もしくはSS」・「男性年上」・「ほろ苦い」という条件のうち、三つ以上満たす作品というリクエストをいただきました。あります、知っています、あるんです。しかし、それでいて、拙宅のコンセプト、ロマンチシズムとエロチシズムを快く刺激する作品でというと、ひじょーに難しかったです。なにしろ、つい先日、私メが知っている、その条件を満たす数少ない作品の一つをご紹介したばかりでしたから。ほろ苦さとエロスとの両立は難しいのでしょうか。難しいでしょうねえぇ・・・おそらく。
さて、そんな中、ついにこの作品に思い当たりました。この作品でしたなら、もう、条件をばっちりクリアしております。完璧な・・・はずです。しかし、これまた、実はすでに某所でご紹介済みの作品なのです。既読でしたら、お許しくださいませ〜。
官能的な香り(香水)というのは、確かに存在します。そして、官能的な香り(雰囲気)のする作品というのももちろんあります。しかしながら、文章作品世界で、ここまで読者にその官能的な香りそのものと雰囲気を疑似体験させることができた作品というのも、そうそうないのではないかと思います。
厳しい気候、乾いた風、市場(スーク)の喧騒、迷宮のようなカスパ、それらは、それほど言葉を費やされたとは思えないのに、その情景と音、温度は、確かに読者に伝わってくるのです。そして、外に比べればひんやりと涼しく薄暗い店の中で、男の指が少女の肌をなぞった時、その一滴の薔薇の香水が、どれほど香り高く、どれほど芳醇に、官能的にたちこめたかも・・・・。
読者にここまで、それを感じさせる文章を書かれる作者さまですので、その筆力のすばらしさはもう言うまでもないでしょう。ロマンスは苦手分野だとおっしゃる作者さまですが、だからこそでしょうか、色恋を全面に押し出さないそのさじ加減が絶妙でした。苦手と敬遠なさらないで、ぜひまたロマンス系の作品を読ませていただきたい!そう思わずにいられない作品でございました。
短い作品です。余り詳しくご紹介すると、これから読まれる皆様のお楽しみをそぐことにもなりかねません。薔薇の香りがたちこめる中、男の口から語られた少女の未来とは何か、少女の淡い恋はどうなったのか、また、リクエスト条件のほろ苦さとは何か、それはぜひ、お読みになって確かめてくださいませ。

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バナー茅葺き屋根の家
                                                                         
                                   
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・長編 /完結/ 和風ファンタジー
          招 魂 の 香 
アイコン桃2
 桃の節句 平安特集 第二弾                                

SITE NAME  :   燈 華 苑  http://toukaen.fem.jp/
携帯サイト http://fhp.from.jp/touka/

MASTER  :   長谷川 彰子 様    

CAUTION :   Θ性的(性交)シーンがある

STORY ;
二ヵ月後に、東宮への入内を控えた左大臣家の二の姫・美子は近頃憂鬱な溜息ばかりついていた。世の人が羨む自身の境遇も、絵物語の恋にあこがれる17才の彼女にとっては、七つも年下の幼い東宮に嫁ぐことに喜びなど感じられず、妹の薔子に愚痴をこぼすたびに諌められていた。そんなある夜、侍女が彼女の枕元に唐渡りの品だという不思議な香を燻らせる。えもいえぬ香りに包まれ、物語に比べての自身の身の上を嘆いていると、突然彼女を抱きしめる者がいる。恐怖に身をすくませながらも、あらんがきりの力で抵抗する美子。儚い抵抗を封じられ、泣き出した美子の涙を男は固い指で優しく拭う。男の寂しげな瞳と、甘く優しい笑みに魅せられた美子はもう男を拒めなかった。そのまま自身の名さえ明かさぬ男と逢瀬を重ねていく美子だが、彼女の入内の日は近づいてきた。

                                    アイコン本 続きを読む

INTRODUCTION : 
歴史ものを得意となさる作者さまで、サイトには奈良飛鳥平安、古代中国やギリシアを舞台とした歴史恋愛作品や架空史の作品があり、非常に読み応えがございます。実をいえば、はっちはいずれこちらの看板作品ともいうべき架空史作品をご紹介しようと思っていたのですが、平安を舞台とした作品で、拙宅のコンセプトにどんぴしゃのこちらの作品を雛祭り企画?からはずすことができず、少々計画が狂いました・・・(^^ゞ
(ひとまわり?するまでは、一つのサイトさまからのご紹介作品は一つにしようと、なんとなく決めているはっち)

平安時代の恋は暗闇の中から始まる・・・、この作品を読ませていただくと改めてそれを思います。なにしろあの時代の夜の暗さは相当なものだったはずです。身分の高い人々が住まう寝殿づくりの部屋はやたらだだっ広かったわけですから、一つや二つの灯火では、とてもあたりを照らすことなど叶いません。たとえ月がでていても、その光が届かない室内では、頼りない灯りが照らすほんの小さな空間以外は墨を流したような暗闇が広がっていたに違いありません。

たとえ親兄弟でも身分のある女性であれば顔をみせないのが当時の習い。高貴な女性に恋焦がれた男たちは、闇にまぎれてまずは意中の女性の元へ忍んで行かねば恋は始まらなかったわけです。考えてみればかなり乱暴な話です。ほとんどの場合、相手の顔も見たことがないわけですから、ある意味闇なべ的。源氏物語の末摘花のような悲喜劇も多々あったんだろうなとは思いますが、それはそれとして、この現代では想像もできないほどの平安の闇の中で、多くの恋や過ちが生まれ、物語が紡がれていったことも確かであり、それはやはりロマンティックでエロティックです。

本編のヒーローも、そんな闇にまぎれて恋しい女の元へ忍んで行った一人です。入内を控えた美しく高貴な姫君と闇から訪れ闇に去る謎の公達。二人の恋は、異国めいた沈香の薫りが漂う闇の中から始まる・・。この設定だけでもう充分ロマンティックで、エロティックですが、物語を紡ぐ作者さまの筆力も読者の期待を裏切りません。文章は丁寧で読みやすく、作中の会話も現代口語で描かれておりますが、それでいて平安の雅な雰囲気をそこなってはおりません。テンポよくストーリーは進み、読者をあきさせることもありません。割愛?していると思われる部分もありますが、情事のシーンもとても官能的です。こちらの作品も短編ですので、長々しいご説明ははぶきますが―拙宅の雛祭り企画としてどんぴしゃなロマンティックでエロティックな平安の恋物語―お読みいただければその意味はきっとおわかりいただけるはずでございます。




長谷川彰子様のサイトはこちら ちな♪

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携帯サイト" サイトはこちら                                       
                                         
水たまり?NO!実は拍手ボタン♪

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・長編 /完結/ 歴史 和風ファンタジー ・年齢差
          水、流るる如く 
アイコン桃2
 桃の節句 平安特集 第三弾                                

SITE NAME  :   Lyrical−mode  
            http://hiiragi.milkcafe.to/index.htm

MASTER  :   しゅーこ 様    

CAUTION :   作中に15歳未満閲覧禁止ページがある作品  性的(性交)シーンがある作品

STORY ;
受領の娘、澪姫に突然降って湧いた縁談話。 相手は美形陰陽師賀茂保憲だった。 半信半疑で婿殿の到来を待つ澪に保憲が告げた言葉とは…。        
                                    アイコン本 続きを読む

         ――作者さま紹介文より


INTRODUCTION : 
平安特集でこちらの作品をぬかすことはできません。平安を舞台とした人気シリーズの第一作。はっちは初作のこの作品が一番好きです。平安を舞台としておりまして、ヒーローの職業が陰陽師ですから、少々ファンタジー風味はありますが、作品の核となるのはじれったくすれちがう夫婦の恋愛です。(魔法系のファンタジーが苦手な方も充分楽しめると思います)ヒロインに冷たくあたるヒーローだとか、いつしかそのヒーローを恋する健気なヒロインだとか、眼イッパイ私好みの要素がてんこ盛りでございます。今まで拙宅でご紹介した作品に比べると、幾分まったりとした雰囲気が強いのですが、それでも、しっかりはっちのツボを押さえてくださった作品です。おっもしろいです!

作品の核は夫婦の恋愛ですが、舞台となる平安宮中の様子も、さりげなく、それでいてしっかりと描かれております。作品と同じく柔らかく、どこかまったりとして丁寧な文章も、とてもいいです。押し付けがましさも、説明くささもなく、読みやすくわかりやすく描かれた宮中の身分・制度・風習・御所の様子は、物語の舞台背景として、無理なく読者の中にはいってまいります。それでいて、いえ、だからこそ、どこか現代的?な風もあるキャラたちの言動や、ファンタジー的な要素を含むストーリーにも不自然さを感じることはありませんでした。

乱暴な言い方ですが、基本的に小説とは何でもありの世界ですし、読者を騙してナンボの世界です。私はその何でもありの世界で作者さまに気持ちよく騙されたいと思っているひとりですが、なんでもありの世界だからこそ、気持ちよくその世界に浸るために、作者さまの筆に説得力を求めます。特に、架空史ではない歴史をその舞台とした作品の場合、時代の舞台背景に対する知識がある程度読む側にもある場合が多いので、リアルな部分に過不足があると、読者は物語の世界で気持ちよく酔うことができません。よく申しますでしょう、うまく人を騙すためには、その嘘偽りに中に真実を混ぜることだと。その騙しとリアルが、この作品では絶妙に演出されていますので、雅な時代背景舞台の中で進行する、このすれちがい夫婦のじれじれな恋愛物語を、夢から覚めることなく無理なく楽しむことができました。

じれったく、切ないところはあっても、全体的に、まったりとほのぼのと進むストーリーです。情事のシーンも終盤に隠しページであるだけで、物語中の二人はほぼプラトニック状態です。しかし、二人の関係が微妙になるにつれ、ヒロインにちょっかいをかける男に嫉妬したヒーローが我を忘れて彼女に迫ってしまったりと、直接的なシーンよりも、むしろそうしたヒーローの揺れる心情がエロティックで、おもしろかったです。

じれじれやすれちがい、はっちと同じく、最初は辛口の冷たいヒーローがお好きな皆様には、サイトにある他の作品も皆おすすめでございます。(満喫できましてよん♪)


しゅーこ様のサイトはこちら ちな♪

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・短編 /完結/ 歴史
          伊勢物語によせて 
アイコン桃2
 桃の節句 平安特集 第四弾                   
SITE NAME  :   深薫殿  
          http://icymoon.main.jp/shinkun-den/index.html

MASTER  :   氷月 深薫 (ひづきみくる) 様    

CAUTION :    年齢制限は設けられていない作品  


STORY ;
伊勢物語の中に次のような話がある―――

昔、ある男があった。たやすくは妻にできない女で、幾年にもわたって言い寄っていたのをやっとのことで手に入れた。しかし、それは女の親兄弟が許すはずのない、前途多難な恋だった。そこで男は姫君を背負って都から逃げ出す。駆け落ちした男女は芥川という川のほとりまで来る
                                    アイコン本 続きを読む

。そこで草の上に置いていた露を見、「あれはなんですの」と女が尋ねた。しかし男は逃げるのに精一杯。夜も更け、また雷も雨もひどくなってきていたので、荒れ果てて鍵もない蔵の奥に女をひとり押し込め、男はその入り口に立って弓を構えていた。しかし、夜が早く明けてほしいものだと思っているうちに、鬼が現れて女を一口で喰ってしまったのだった。「あれ」と女は叫んだのだが、雷の鳴る騒がしい音に紛れて男はその声を聞くことができなかった。ようやく夜も明けていったところで男が蔵の奥を見ると、連れてきた女が居ない。男は泣き叫んだがなんのかいもなく‥‥‥。そこで歌を詠んだ―――

  『白玉か なにぞと人の 問ひしとき  露と答えて 消えなましものを』

(このようなことになると知っていたのならば、あの光るものは白玉でしょうか、何でしょうか、と芥川のほとりであの人がたずねた時に、露ですよと答えて、その露のように儚く自分も消えてしまえばよかったのに。)
 女が死ぬ前に自分が死んでしまいたかったと嘆いた、ということである。

―――これは伊勢物語の六段、俗に『芥川(あくたがわ)の段』と呼ばれる段の話である。そしてこの話には真相がある―――

女というのは、徐々に権力を伸ばしつつあった藤原氏の娘で、この時すでに帝のもとに嫁ぐことが暗黙のうちに決まっていた藤原高子(たかいこ)。そして男というのは、平安時代きっての好色で、『伊勢物語』の主人公といわれている在原業平である。ふたりは互いに愛しあっていたのだが、高子を帝のもとに嫁がせてその皇子を生ませ、天皇の外戚として権力を握ろうと企む彼女の親兄弟がこの恋を許すはずがなかった。この忍び逢いが世間での噂となると女の兄たちが監視をきつくし、そのためふたりは簡単に逢うことができなくなった。ふたりは遂に駆け落ちをする。しかし、一大事を聞きつけた兄たちが女を取り返した。

―――このことを、この段では鬼のしわざといったのだった。

              作者、氷月 深薫様の「伊勢物語によせて」の冒頭より


INTRODUCTION : 
さて、平安特集ですでにご紹介申しあげた作品の中でも、しきりにでてまいります伊勢物語における業平の逸話とそれにまつわる真相を、作者さまは上の『伊勢物語によせて』でエッセイ風に読みやすく説明してくださっております。この逸話をご存知ない方はもちろん、ご存知な方も、まずはそちらをお読みくださいませ。その上で、『春宵』・『埋み火』の二つの作品へとお進みいただきたいと思います。

私が初めて伊勢物語に接したのは、確か小学生か中学生の時だったと思いますがその時のことはよく覚えています。なぜなら、さらったお姫様をみすみす鬼に食われてしまい、しかもそれに気がつかなかったなんて、なんてまぬけな男だろう、しかも、お姫さまの敵討ちをするでもなく、めそめそ嘆いているなんて、まぬけな上に情けない、これじゃあお姫様も浮かばれない・・・とまあこの主人公(業平)に対する印象がかなり悪かったからです。簡単に高子との逸話も説明されていたのですが、なにぶん幼すぎて、それが意味するところがわからず、それを読んだあともやっぱり、かけおちに失敗するなんて、もっとまぬけ、こんな男をなんで主人公にするんだろう・・・この話ってつまらない・・・というものでした。

しかし、長じて私メが歴史小説にはまっていくと、色々な作品に、この業平の逸話がでてくる事に気づきます。それも、鎌倉・室町と舞台となる時代がくだっていっても、貴族階級の作中の人物たちは男女問わず、なにかしら彼に憧れる物言いをします。男は意中の女を業平の物語のように攫いたいと言い、女は業平のような男に攫われたいと言うのです。なんのこっちゃ・・・?私にとって業平は拐しめいた駆け落ちに失敗して都落ちした斜陽の優男。そんな男がなぜ、こんなにも長い間支持されているのか、本当に不思議でした。若かったなあ・・・・(^^ゞ 今ならわかります。美しい恋人が帝の后になるのが耐えられず、権力者の元から攫って逃げる情熱的な美貌の貴公子と、至高の位を投げ捨てても愛を選んだ高貴な姫との物語は、その企てがたとえ失敗したとしても、世紀のロマンスであり、彼らにとって金字塔であったことが。

作品は、平安はおろか日本史上に名だたる世紀の駆け落ち(の失敗)から数年後のある日、御所の片隅ですれちがった二人の、切なくも痛ましい心情が綴られております。『春宵』は業平の、『埋み火』は高子の視点でそれが吐露されております。

雅やかで華やかな貴族文化が花開いた平安の世。しかしその灯りの届かぬ夜は底知れぬ暗闇が広がっていたに違いなく、それを如実に現しているかのような二人の恋とその終わり。二つの作品は、非常に短くはあるのですが、まるでモノローグ(独白)形式で語られる舞台劇のように、平安の世の、そしてこの恋物語の光と闇がひしひしと伝わってきます。拙宅のコンセプトにはいささかはずれますが、平安特集とするからには、この光と闇も、ぜひ皆様に味わっていただきたく思い、ご紹介申しあげます。


氷月深薫様のサイトはこちら ちな♪

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・短編 /完結/ 歴史 和風ファンタジー
          花 鎮 祭 
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 桃の節句 平安特集 第五弾                   
SITE NAME  :   葦 丸 屋   
             http://f34.aaa.livedoor.jp/~ashimaru/index.htm

MASTER  :   武水 しぎの  様  

CAUTION :    年齢制限は設けられていない作品  性的(性交)シーンがある作品

STORY ;
桜の下で人を喰らう鬼。そしてその鬼を喰らう夜叉。 妻問いに出た長経の出あった怪異譚。            
                                    アイコン本 続きを読む

INTRODUCTION :
平安時代・桜・鬼・・・・いつからそれがインプットされたかはさだかではないのですが、私メの脳内で、それらはセットでイメージされております。平安ものをご紹介するからには、鬼と桜が登場する物語を一つはご紹介したいと思っておりましたが、この作品は、もう、私メのイメージにぴったりでございました。

今昔物語などにもよく出てまいりますが、当時の人々は男女問わず、佳人に化けた鬼に心と命を奪われた人が多かったようでございます。化けたというのは語弊があるかもしれませんね、佳人が妄執を残して没してのち、鬼となる・・・ケースも多いわけですから。
歌舞伎や謡曲の題材ともされた古典の中の鬼たちは、もっぱら高僧や英雄に調伏され成敗されるべき対象でしたが、人々が夜を怖れなくなり、怪奇にも無縁の生活を送るようになると、世の常識を超越した美しさと怖ろしさ、そして強さと儚さをあわせもつ鬼を愛でる現代人もでてまいりました。私メもその一人。美しい鬼が出てくる耽美でダークな物語はかなり好みです。

そして、美しい鬼と桜はよく似合います。なぜ、鬼が桜の木の下によく出没するのか、それについても、作中で説明してくださっておりまして、それもまた嬉しかったりします。
文章は雅やかで美しく、よい意味で、とっても古典的。冒頭から読者を無理なく平安の世へトリップさせてくださいます。歴史ものをメインに描かれる作者さまゆえのワザかもしれません。
見目麗しい鬼が人を誑かすのは古典にならってお約束どおりの展開ですが、お約束どおりの展開だからこそ、読者がそれを、ああまたかとがっかりするか、それでもおもしろいと楽しむことができるかで、作者さまの力量が問われます。この作者さまの美しくも巧みな筆は、読者を失望させることはありません。


印象的かつ官能的な情事のシーンもイイですし、その後の展開の美しも怖ろしい映像的な描写もイイです。平安・鬼・桜。ダークで耽美、そしてエロス。短いながらも、この作品でそれらを満喫することができました。




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葦 丸 屋                                                                    
                            
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