Cocktail Break      
大人の女性のロマンチシズムとエロチシズムを快く刺激する、すてきなオンライン小説、イラスト、コミックを、
         有名無名、年齢制限あるなしにかかわらず、はっちがご紹介してまいります。
            女性向きですが B L はありません♪
                                                
【 2008年02月 】 の更新履歴
02/04 一 万 ヒ ッ ト 御 礼  【 その他 】 
02/04 一万ヒット御礼企画  中 世 炎 上  【 その他 】 
02/11 月はくまなきを  【 NOVEL ファンタジー 】 
02/14 絵 師 の 恋 人  【 NOVEL 歴史 】 
02/17 モロッコの薔薇  【 NOVEL 歴史 】 
02/20 平 安 絵 姿 特 集  【 ILLUST 】 
02/22 招 魂 の 香  【 NOVEL 歴史 】 
02/23 水、流るる如く  【 NOVEL 歴史 】 
02/23 伊勢物語によせて  【 NOVEL 歴史 】 
02/29 花 鎮 祭  【 NOVEL 歴史 】 
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          一 万 ヒ ッ ト 御 礼 
ご来訪の皆様、いつも Cocktail Break をご贔屓にいただきまして、ありがとうございます。おかげさまで、カウンターが昨日、1万の大台を突破いたしました。昨秋、ブログを立ち上げた時も、その後、年の瀬も押し迫った頃、恐る恐るカウンターを設置した時にも、よもや、拙宅にこれほどのお客様が訪れていただける日がこようとは、夢にも思いませんでした。
ただ、ただ、感謝でございます。本当にありがとうございました。
                                    アイコン本 続きを読む


初めてもったサイト(ブログ)の初めての一万ヒット、なにかお礼となり、記念となるような企画をぜひさせていただきたいと思いましたが、ご紹介させていただいているサイトさまのオーナー方のようなクリエイティヴな才能のない私メでございます。色々と考えてみましたが、どれもお礼にも記念にもならぬようなものばかり、やはり私ができることで皆様に楽しんでいただけることは、作品のご紹介しかないだろうと、余りにも当たり前のところに行き着きました。しかし、それでは平常業務?となんら代わり映えがせず、少々つまらない・・・・。

私らしく、尚且つ、特別っぽい紹介の仕方はないかと考えた末、オンライン作品ではなく、今までに私が読んだ本の中で、拙宅のコンセプトにふさわしいと思える作品をご紹介するのはどうだろうかと思い当たりました。本の紹介など、今更目新しくもありませんが、オンライン作品専門の拙宅があえて出版された作品を取り上げるということで、ちょっとだけ特別ぽい雰囲気もでますし、なにより、ご贔屓にしてくださる皆様も活字好きな方が多いに違いなく、さすればPCの前に坐れない時にお読みになる本のご参考にしていただけるかもしれないと・・・・。

御礼企画に、オンライン作品の紹介記事の集中更新をご期待くださった皆様、申し訳ございません。今回はイレギュラーなご紹介でありますが、通常のご紹介もペースを落さずにさせていただきますので、ご容赦くださいませ。


                              2008.立春  はっち 拝


     ラインリボン
                   
             一万ヒット御礼企画
              
            アイコンプレゼント1  中 世 炎 上     瀬戸内 晴美      




                                                                                         
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          一万ヒット御礼企画  中 世 炎 上 
 瀬戸内 晴美 

STORY:
中世、鎌倉時代。突然の内裏の火事。燃え広がろうとする炎の中から「おんかたわ」と人に噂され、立つことも話すこともできなかった幼くも貴い主を助け出す一人の若い女房。火事の後ようやく立ち喋ることができるようになった主に、彼女は乳母のように献身的に仕え、元服の折には新枕の役も勤めるが、正妃の入内を機にその元を辞す。女房はやがて、他の男の妻となり、ひとり娘を設けるが若くしてこの世を去る。
譲位を余儀なくされ鬱々とした日々を送っていた主が、かっての恋人の忘れ形見を、ぜひにと願って手元に引き取ったのは彼が19歳、娘がわずか4歳の時だった。
                                    アイコン本 続きを読む

権力者である主の庇護の元、彼を父とも兄とも慕って過ごした無邪気な子ども時代は、娘が14才のある夜、唐突に終わりを告げる。寝所に忍んできた主は、怯える娘をかき抱き、自らを光源氏、娘を紫の上になぞらえてきた積年の思いをぶつけ、我が物にしようとする。驚き絶望する娘。たしかに彼女の境遇は源氏物語のそれに似ていたが、紫の上よりはるかに大人びていた娘の心には、既に相愛の恋人がいたのだ。

院と呼ばれる主は、皇統が二つに分かれる因ともなった持明院派の祖、後深草院。
後深草院の寵愛篤く、それゆえに、そのエゴイスティックで屈折した愛情に翻弄される人生を送ることになる娘の名は二条。
二条と院、彼女をめぐる多くの男性との奔放な愛欲に彩られた日々は、後年、中世女流文学の異色の書、「とはずがたり」として、世に残ることになる。

時代の覇権が武士の手に移って久しく、朝廷に生きる人々に、それを奪い返すほどの気概も力もなかった時代。実権を持たない彼らの鬱屈したエネルギーは、内へ内へと篭ってゆく。源氏物語の栄華の日々から既に300年が経とうとしていたが、彼らの精神文化や価値観は、いまだに、否、だからこそ、もののあわれをそのよすがとしていた。地に落ちた実が爛熟した香りを周囲に漂わせながら腐っていくように、栄華の残滓を苗床として咲いた仇花のような艶美な愛と官能の物語。

INTRODUCTION:
ロマンとエロスを併せ持つ、出版された作品のご紹介・・・・として、一番に思い浮かんだのがこの作品です。読んだのはもう随分昔。(10年くらい前じゃあないかと思います。)にも関わらず、その強烈な印象と衝撃は今でも覚えています。

出家前の作者は、一貫して「女の業」を描いてきた人でした。スキャンダルに彩られたその奔放な私生活も、またそれを赤裸々に書き綴った私小説のような作品も常に物議をかもしてきました。作者もその作品の評判も、過去のものとは言えあまりにも強烈過ぎて、ただでさえ私小説が苦手な私は、それら一連の作品を楽しめるとは思えず、とても読む気になれませんでした。但し、舞台を過去に移した歴史物は別です。我ながら現金だとは思うのですが、過去を舞台とする限り、作者がどのように生々しく女の業を描こうが、どのように自身を投影させようが、それはあくまでフィクション、一種のファンタジーとして楽しむことができるのです。数百年の時の流れは、強烈すぎる作者の個性をちょうどいい具合にオブラートにくるんでくれたようで、その世界は充分に魅力的でした。

しかし、正直に申しあげて、私は、この作品に登場するどのキャラにも、ほとんど好感を持てずにいます。ヒロインである二条にしろ、こういう流されキャラ、よろめきキャラにはとても共感などできません。二条のメインのお相手である院なども、はっきり言って、もう蹴飛ばしたくなるくらい嫌な男だと思います。そう感じる自分の感覚は、無粋ではあっても健全であり、現代に生きる女性としては一般的なものではないかと思います。(幸か不幸かヒロインに自分を投影できるような非凡な恋愛経験は私メにはございませんので。)しかし、それでも、この物語はおもしろいのです。

無垢であった二条が、院との肉体関係を持った後の、大人の女性としての開花。その官能的な艶やかさとしたたかさは眼を見張ります。紫の上と同じ様に自分を育てた男に体を奪われその寵を受けても、所詮二条はその男の傍近くで仕える女房の一人にしかすぎません。紫の上のように、他の男の目には決して触れぬようにと、たった一人の男に大切に守られる立場にはないのです。院の寵愛を受けた後も、その美貌と才知を多くの男たちに褒めそやされ、それを誇りとしながら御所での勤めを続ける二条。ある時は自ら進んで、ある時は魅力的な彼女への恋情抑えがたい男により強引に、またある時は院の命により泣く泣く、二条は男たちと関係をもっていきます。

そういう彼女を自堕落と決め付けるのは、この時代背景を思えばナンセンスでしかありませんが、あまりにも流されやすい二条は、初めて読んだ時も、決して好きになれなかったヒロインです。けれども、だからこそ彼女が、男性にとっては理想的な恋人、情人であったことが、年を重ねた今ならばわかります。美しく才があるというだけではなく、その心情性質がです。

強く求められれば拒めない。意に染まぬ関係でも、一度肌を許してしまえば、情がわいて相手を憎むことができず、その後も相手に引きずられてしまう。そんな二条の情が深くほだされやすい性質は、色事に慣れた宮廷の男たちの目には透けて見えたに違いありません。衰えた朝廷の退位した院とはいえ、その寵愛を受ける二条に並大抵の男は手出しができませんが、院を憚る必要のない力や情熱をもった好色な男たちにとっては、これほど口説きやすく落しやすい魅力的な女性はいなかったかもしれません。

肉体的な関係だけではありません。男の心の機微を読むのに長け、相手が聞きたくないと思ったことは口にせず、反論がある時は黙して聞き役に徹する。つれない仕打ちをされ、恨めしく思っても、面と向かって責めることはしない。奥ゆかしい彼女の態度に相手が罪悪感を持ち始めたところで、いじらしくその辛さを控えめに訴える。つまり、彼女は男性が苦手とする、頑なさやヒステリックさ嫉妬といった女の棘を内面に抱えてはいても、それをほとんど感じさせないのです。男性にとって、これほど居心地のいい女性もいないでしょう。

男の無理難題に対しても、涙を流して抗っても、最後にはその意に従ってしまう。院は彼女を他の男に抱かせるだけではなく、彼女に他の女性との仲立ちまでさせるのです。これだけ聞くとまるで二条は横暴な院の哀れな犠牲者のように思えますが、一概にそうとも言えないのです。唯々諾々と従うのではなく、あくまで自身の気持ちには反することを、他でもない院の命令であるからこそ諦めて許すのだということを、二条は院が不快に感じない程度に知らしめる事を忘れません。そこに二条の計算があったかどうかはわかりませんが、男のプライドをくすぐられた院が一層の優越感と満足感を抱いた事も、また彼女への執着の絆を強くさせたことも想像に難くなく、さりげなく責任転嫁するあたりも見事としか言えません。

女性の読者としては、二条のそんな態度こそが男たちを図に乗らせ、勘違いさせるのだと、読んでいて何度も、歯がゆい思いをするのですが、だからこそ物語は盛り上がってゆくのです。物語に引き込まれた読者は途中で止めることなどできないでしょう。ヒロインに好感を持とうが、持たなかろうが、彼女の波乱万丈な恋愛物語は文句なくおもしろいです。

情事の場面はもちろんですが、柔らかで艶美な文体で紡がれたこの物語は、全編に、悩ましく秘めやかな官能的な雰囲気が漂っています。それは終盤になり、二条が出家した後も続きます。

原典があり、それに忠実である部分もあれど、かなりの脚色を加えていること。また、出家以前の作者の私生活があまりにも醜聞にまみれていたこと。そして、作者自身が二条の人生をなぞるように俗世を離れて出家したこと。そうした要因は今も、この作品に対する評価を複雑にしています。しかし、どのように評価されようが、この物語が大人の女性のエロチシズムとロマンチシズムを充分に満足させてくれる物語であることだけは確かです。


中世炎上 (新潮文庫)
著 者:瀬戸内 晴美
出版社:新潮社
出版日:2000 ¥ 740

中世炎上 (1973年)
著 者:瀬戸内 晴美
出版社:朝日新聞社
出版日:1973 ¥ 893
                                         
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・長編 /連載中/ 異世界 架空史 西洋風ファンタジー ・年齢差 初恋
          月はくまなきを 
SITE NAME  :   藁葺きの城  http://schloss.sakura.ne.jp

MASTER  :   雪輪 花菱  (ユキワ ハナビシ)様    

CAUTION :   年齢制限は設けられていない作品  性的(性交)シーンはないが官能的な雰囲気がある作品

STORY ;
半年前の離婚後、逃げるように隣国へ渡ったカテリーナは、そこで音楽家としてつかんだ成功と名声を確実なものとするために、再び故国へと戻ってきた。名門の血筋と美貌の家系、それにしか誇るべきものが残っていない零落れた冷たい家で愛に飢えた子ども時代をすごしたカテリーナ。幸せを夢見てできない忍耐をしてまで守ろうとした初恋の人との短い結婚に破れ、今の彼女を支えているのは、自らの力で立ち、生きてゆくその矜持だけだった。帰国後初めてのパーティーで、美しい顔に緊張を滲ませながら臨むカテリーナを見つめる二人の男がいた。
                                    アイコン本 続きを読む

一人はかっての夫であり、幼馴染でもあり、従兄弟でもあるトリステン・アルトドルファー。軍功めざましい中将にして社交界の寵児。彼女と同じく愛に飢えた不幸な子ども時代が彼の心情と言動を複雑で屈折したものにしており、カテリーナを深く愛しながらも、ついにそれを告げる事さえできず、その屈折した言動ゆえに彼女を失ってしまった男。多くの女性との浮名を流しながらも、今も彼の胸には彼女がいた。彼女をわざと怒らせながらも、ぷいと背けたカテリーナの横顔に注がれる視線は優しい。彼女に悪態をつかれることさえも、彼には喜びであったのだ。子供の頃からそうしてきた。
今更・・、その態度は変えられるはずもない。

いま一人は黒の宰相アルフレート・ティーリケ。平民ながら卓抜した才と能力で一官吏から宰相にまで上り詰め、妾腹とはいえ先王の王女を妻とした美貌の男。醜く肥え太り出自意外に誇るべきものが何もない浅薄な道化のような妻の横で、彼もまたカテリーナを見つめていた。

そのティーリケから少年国王の音楽教師をしてほしいとの直々の依頼が舞い込む。渋るカテリーナに、彼は彼女の音楽活動の後援を約してその役を受けさせる。無口で無表情、その美貌とは裏腹におよそ甘さとは無縁とされる冷徹な野心家の男が、なぜかカテリーナにだけは無防備な一面を見せることに彼女は戸惑いを隠せない。初めての演奏会の帰りの馬車の中、ティーリケは貧民街で生れ落ちた出自や公になれば今の地位を失いかねない自らの過去をカテリーナに打ち明ける。

「どうしてですか?閣下、わたくしにはわかりません。どうして
閣下はわたくしにおっしゃったのですか?わたくしにどうせよと?」
「知れば逃げられぬ。それはわかるね?」
静かな微笑を浮かべた緑の瞳が間近に迫る。
「私のものになれ。そういうことだよ。」

カテリーナの心にもまだトリステンがいた。しかし、時に穏やかに優しく、時に熱く見つめるティーリケのエメラルドの瞳にカテリーナの心は揺さぶられてゆく。


INTRODUCTION : 
究極の三角関係ドラマ。めっちゃくちゃにおもしろいです。正直私は、恋愛ものは好きでも、それが三角関係やら不倫やらになると、生々しいというより、空々しさを感じてしまい物語としては楽しめません。しかし、この作品だけは例外中の例外です。

舞台設定が異世界ヒストリカルということで、離婚・三角関係・愛人という彼らの恋愛模様も、それが現代ものであれば感じるであろう生々しさや空々しさは感じずにすみ、現実の価値観や常識とは別の次元の世界の恋愛物語として抵抗を感じずに読み進むことができました。舞台を異世界に移しただけではこうはなりません。なによりも、そのように読者を説得し、納得させて物語の世界に引き込んでしまわれた作者さまの並々ならぬ筆力ゆえでございます。

とにかく、おもしろいのです。カテリーナを愛する二人の男性が二人とも、甲乙つけがたいほどステキです。性的な描写はないに等しいにも関わらず、この二人のなんとセクシーなこと。もうノックアウトでございます。片や女たちの熱い視線を一身に集める国一番のプレイボーイにして若き軍神。片や国中の人間がその視線一つに怯える冷徹な黒の宰相。二人に共通するのは魅力的な男性であるということ、そして、他の誰にもみせない素顔をカテリーナにだけは見せ、彼女だけを求めてやまないことです。そのあたりの男心の切なさや、やるせなさ、隠し切れない熱い思いが垣間見えるところなんぞが、どきどきするほどイイんですわあ。

ここまで男性二人が魅力的な三角関係ものとなりますと、ヒロインの心が揺れるのは当然ともいえますが、読者としては、ヒロインよりもヒーロー二人に肩入れしたくなります。彼ら二人の魅力もヒロインへの愛も全く互角といってよく、そうなると読者の目は(やっかみも含めて)二人の間で揺れ動くヒロインに厳しくなるのは当然であります。揺れる彼女の心情こそがこの物語を動かしていくのであろうとは思うのですが、彼女の心が揺れるたびに、ええっ〜それはないんじゃない、どうしてそんなぁ〜といらいらやきもきしてまいります。そんなドラマティックなストーリーに読者は翻弄され、それを堪能することができるでしょう。物語はまだ連載中。彼女が一つの決断をしたところでしばし休載しておりますが、この先どうなるのか、本当にわかりません。

物語の核は彼らの恋愛ですが、この物語の魅力はそれだけではありません。メインの三人以外にも、登場人物は個性的に生き生きと描かれ、彼らの言動に目が離せません。カテリーナに淡い思慕を寄せる少年王やら、トリスタンの愛人の一人である年上の王室御用達のデザイナーやら、宰相の忠実な執事やら、そして恋敵にはなりえないにしても強烈な個性の宰相の妻やら、母性愛の欠けらもみせない他国に嫁いだカテリーナの生母やら、この作者さまの人物描写は逸品です。個性豊かな登場人物を生み出した想像力と、彼らを深く説得力をもって描くことを可能にした冷静で大人な観察眼に脱帽でございます。その想像力と観察眼をもってしてドラマティックでロマンティックなストーリーを描いてくださるわけですからもう、大人の読者が引き込まれるのも当然かもしれません。ヒストリカルファンのツボを押さえた、長く裾をひいたドレスの衣擦れの音が聞こえてきそうな細かな舞台設定とその描写も、読みやすくわかりやすくありながら品を感じる文章も文句のつけようがありません。

とにかく、初めてこの作品を拝読した時は、こんなにおもしろい作品が、今まで一体どこに隠れていたのかと思いました。どうやら作者さまは二次創作に力をいれておられるようで、そのためか、こちらの作品はオリジナルであることから、作品のハイレベルなおもしろさの割りには余り周知されていなかったご様子です。ご存じない方も多いのではないかと思うと、ご紹介できるのが、なお更嬉しくも得意な気分でおります。
作品は、【NOVEL】⇒【ORIGINAL】⇒【月はくまなきを】とお進みください。



雪輪花菱様のサイトはこちら ちな♪

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・短編 /完結/ 歴史 ・年齢差 初恋
          絵 師 の 恋 人 
SITE NAME  :   I’ErreuR  http://erreur.blog42.fc2.com/

MASTER  :   こ れ ゆ き 様    

CAUTION :    年齢制限は設けられていない作品  性的(性交)シーンはないが官能的な雰囲気がある作品

STORY ;
エルバが彼にあったのは、彼女の十四の齢を迎えた祝いの席でのことだった。十四のエルバは自身が、人が褒めるほど美しくはないということを理解できるほどには大人だった。しかし、権勢を誇る父に阿るために集まった人々の真のない褒め言葉を、笑って受け流すことができるほどの大人ではなかった。いたたまれずにその場を逃げ出し、会場の端までたどり着くと、そこに彼がいた。壁際で佇んでいた彼が振り返り、彼女に目を止めた瞬間、世界から音が消えた――。
                                    アイコン本 続きを読む

優しい顔貌の男なのに、視線だけが鋭く人を突き通し、絡んだ視線から、今までと違う世界が生まれていった。ゆっくりと彼はエルバに歩み寄り、膝を折る。

「美しい人。貴女への恋を、私の拙い絵に留めてもよろしいですか」

類い稀なる眼差しと腕をもつ、
絵師アズ・イットとエルバの恋はそこから始まった――。


INTRODUCTION : 
さて、本日はヴァレンタインデーでございます。突発的に、なにかヴァレンタインにちなんだ作品をご紹介したくなりました。チョコにちなんだ物語、あるいは甘〜い恋物語でもご紹介しようかしらと思ったのですが、私メの好きな作風でチョコにも負けない甘さがある作品となりますと、どうしてもロマコメ系になってしまいます。(本気で笑えるロマコメなら実は大好物のはっち)しかし、その中で拙宅のコンセプトにあっている作品は思いつかず・・・ウ〜ん難儀いたしました。

しかし、そんな中、ようやくこの作品を思い出しました。ビタースウィートなチョコレートのような風合いのこの作者さまの作品をです。初読の時から、私にとってこの作者さまの作品、特にこの作品の印象はそれでした。考えてみれば、これほど拙宅のヴァレンタインにふさわしい作品はないように思えます。お子様には楽しめない、大人の味のほろ苦さと甘さ、そして他のどのスウィーツにもないチョコレートだけが持つ官能的な刺激、そんなビターチョコのような味わいがこの作品にはあり、それがまた激しく私の好みでございました。作中にチョコレートがでてくるわけではもちろんございません。しかし、お読みになられた大人の女性読者の皆様は、必ずやはっちの申すところをおわかりいただけるかと存じます。

ヒロインが絵師に出会ったシーンも、また肖像画のモデルとして絵師に描かれるシーンも、そりゃあもう、すばらしいです。直接的な性描写は一切ないにもかかわらず、そのエロティックでいながらロマンティックなこと!視線だけで官能を刺激されるというその描写の情感と情緒は、女性にしか描けず、女性にしか想像できず、作品を通しての疑似体験にせよ女性にしか味わえないものではないかと思います。

淡々と、どこか韻を踏むように重ねていく美しくも読みやすい文章も逸品です。画家とそのモデルが恋に落ちるのはお約束事とも言えますが、ただそれだけではないのです。短い物語ながら、読者をうならせるドラマティックでロマンティックな展開があり、この小さな宝石のような物語は本当に読み応えがあるのです。まるでチョコレートがその小さな一粒の中に濃縮され凝縮された深い味わいが込められているかのように・・・。

ヴァレンタインの日、ご自分のために買った、ちょっとゴージャスなチョコレートなどつまみながら読んでいただきたい作品でございます。

目次から 【小噺】 ⇒ 【絵師の恋人】 とお進みください。

これゆき様のサイトはこちら ちな♪

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・短編 /完結/ 歴史 ・年齢差 初恋
          モロッコの薔薇 
SITE NAME  :   茅葺き屋根の家  
            http://homepage2.nifty.com/chigaya/

MASTER  :    (ちがや) 様    

CAUTION :    年齢制限は設けられていない作品  性的(性交)シーンはないが官能的な雰囲気がある作品

STORY ;
迷宮のようなカスバの中を、ベールをかぶった踊り子の少女が人々の間を急ぐように縫っていく。彼女が目指すのは、香辛料の市場(スーク)の片隅の小さな店。胡散臭い不思議な品々を商う薄暗いその店の主はまだ若い謎めいた男。少女はその男に淡い恋心をいだいていた。 ある日男は、子ども扱いしたことに腹をたてた少女をなだめるためにか、店の奥から小さな薔薇色の小瓶をもってくる。男の故郷と同じところから来たという小瓶。彼がその栓をはずすと、何万という薔薇が一気に開花したような香りが薄暗い店に立ちこめる。小さな瓶に封じ込められていたのは、モロッコの薔薇の香り。遠い目をした男は、震える少女の肌に手ずから香水をつけてゆき、彼女の未来を予言する不思議な言葉をつむぎ出す――。     
                                    アイコン本 続きを読む

INTRODUCTION : 
「文章に癖がある」・「短編もしくはSS」・「男性年上」・「ほろ苦い」という条件のうち、三つ以上満たす作品というリクエストをいただきました。あります、知っています、あるんです。しかし、それでいて、拙宅のコンセプト、ロマンチシズムとエロチシズムを快く刺激する作品でというと、ひじょーに難しかったです。なにしろ、つい先日、私メが知っている、その条件を満たす数少ない作品の一つをご紹介したばかりでしたから。ほろ苦さとエロスとの両立は難しいのでしょうか。難しいでしょうねえぇ・・・おそらく。
さて、そんな中、ついにこの作品に思い当たりました。この作品でしたなら、もう、条件をばっちりクリアしております。完璧な・・・はずです。しかし、これまた、実はすでに某所でご紹介済みの作品なのです。既読でしたら、お許しくださいませ〜。
官能的な香り(香水)というのは、確かに存在します。そして、官能的な香り(雰囲気)のする作品というのももちろんあります。しかしながら、文章作品世界で、ここまで読者にその官能的な香りそのものと雰囲気を疑似体験させることができた作品というのも、そうそうないのではないかと思います。
厳しい気候、乾いた風、市場(スーク)の喧騒、迷宮のようなカスパ、それらは、それほど言葉を費やされたとは思えないのに、その情景と音、温度は、確かに読者に伝わってくるのです。そして、外に比べればひんやりと涼しく薄暗い店の中で、男の指が少女の肌をなぞった時、その一滴の薔薇の香水が、どれほど香り高く、どれほど芳醇に、官能的にたちこめたかも・・・・。
読者にここまで、それを感じさせる文章を書かれる作者さまですので、その筆力のすばらしさはもう言うまでもないでしょう。ロマンスは苦手分野だとおっしゃる作者さまですが、だからこそでしょうか、色恋を全面に押し出さないそのさじ加減が絶妙でした。苦手と敬遠なさらないで、ぜひまたロマンス系の作品を読ませていただきたい!そう思わずにいられない作品でございました。
短い作品です。余り詳しくご紹介すると、これから読まれる皆様のお楽しみをそぐことにもなりかねません。薔薇の香りがたちこめる中、男の口から語られた少女の未来とは何か、少女の淡い恋はどうなったのか、また、リクエスト条件のほろ苦さとは何か、それはぜひ、お読みになって確かめてくださいませ。

茅様のサイトはこちら ちな♪

バナー茅葺き屋根の家
                                                                         
                                   
水たまり?NO!実は拍手ボタン♪

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イラスト
          平 安 絵 姿 特 集 
アイコン桃2
 桃の節句 平安特集 第一弾            

桃の節句にちなんで、平安朝を題材とした作品を探すべく、ネットを彷徨っておりましたところ、美しく雅な平安女性を描いたイラストサイトさまにめぐり合えました。とにかくご紹介せずにおくには、あまりに惜しい美しさ!ということで、今回は拙宅のコンセプトには関係なく、あくまで桃の節句のための特別企画ということでまとめてご紹介させていただきたいと思います。身の丈を超える長い黒髪、色を重ねた美しい衣、花鳥風月を愛でながら、御簾と几帖の奥で恋に身をこがしていた古の女性たちの雅やかな世界が目に見える形でそこにはあるのです。平素、平安やイラストに馴染みのない方でも、ご覧になるだけで、必ずやその雰囲気を味わうことができる事と思います。桃の節句にあわせて、これからご紹介する平安を舞台とした小説作品をよりいっそう楽しんでいただくためにも、ぜひ一度お訪ねになって、まずは目から平安の雅を感じ取ってくださることをお薦めいたします。
                                    アイコン本 続きを読む

CAUTION  :  作者さまのご厚意で作品を展示させていただいております。
          当然のことながら、無断借用禁止です。


ライン平安



バナーをかしき絵茶屋 SITE NAME :  をかしき絵茶屋  
 MASTER :  a w i n e 様   
 http://park17.wakwak.com/~awine/
INTRODUCTION: 
こちらの作者さまの源氏物語を題材に描いた一連の作品こそ絵巻と呼ぶにふさわしい!管理人がイメージするとおりの源氏物語の世界がそこには広がっておりました。伝統的な日本画の作風を踏襲なさっておられるに違いないのですが、どこかモダンで新しく、上品かつ艶美!日本画に馴染みのない方の目も抵抗なく楽しませていただけるかとおもいます。着物と酒と美女を題材とされた美人画もかわいくて色っぽいです。源氏物語ファンの方は必見でございます。

イラスト朧月夜の君と光源氏
夜な夜な逢引を重ねる朧月夜の君と光源氏。
朧月夜の君は、あでやかになまめかしく、魅力的な華のある女性であった。対立する政治勢力の波に反するように、互いの気持ちは熱く激しく燃え上がる。後にこの密会が右大臣の目に触れることとなり、これによって光源氏は須磨への隠居を余儀なくされる。


ライン平安



バナー姫君たちの寝殿 SITE NAME :  姫君たちの寝殿
 MASTER :  伊藤 雅 様
 http://miyabi.hanagasumi.net/index.html
INTRODUCTION: 
こちらも源氏物語、そして平安以前の日本のお姫様ファンの方は必見!上のサイト様が絵巻であるなら、こちらのサイト様はさながら一冊の新しくも美しい絵本のようです。一枚一枚開くごとに世界が変わり、訪れた者を幻想的で雅の世界へ誘うその色・形・光・背景・構図の美しさといったら・・・・もうタメイキしかでません!そんな絵本が店頭にあったら管理人、迷わず買います!(作者さまはプロの方でありますが、ポストカードはあっても絵本はまだないようでございます・・・カードではこの作者さまの作品世界を現すに小さすぎるような気がする・・・・絵本が欲しい!)


イラスト朧月夜の君

満開の桜と、それに勝るとも劣らない麗しくも艶やかな朧月夜の君。お許しをいただき、さっそく、来るべき桜の季節にふさわしい作品をお借りしてまいりました。どうですか、どうですか、美しゅうございますでしょう?この作者さまの作品を絵本にしていただいたいと申しあげた、はっちの気持ち、おわかりいただけますでしょう?桜に酔って源氏の君と過ちをおかした朧月夜の君のように、しばし姫君たちの世界に酔わせていただきましょう〜

ライン平安



バナー黒猫月 SITE NAME :  黒 猫 月  
 MASTER :  ぐりゅんでる 様
 http://tukineko.pekori.jp/
INTRODUCTION:
こちらのサイト様の作品は色がとにかく美しい!しかも、濃い色、特に赤がです!現実の平安装束は微妙に複雑に色を重ねた、どちらかと言えば中間色っぽい色合いが多かったと思うのですが、そんなことは関係ありません。この美しくも濃く深い色合いがなんと艶やかで鮮やかに作品を彩り、印象的に見る者の目に映ることか!これほど強い色を使いながらも、浮いた感じにも、押し付けがましい感じもならず、平安の女性を描いた作品として全く違和感がないのです。作者さまの色彩センスに脱帽するとともに、やはりそこには複雑に計算された平安装束の色あわせの知識がおありになったからだろうかと推測するばかりです。

画像の上にカーソルをおくと、原寸大の画像をご覧になれます!
―梅観梅詠


ライン平安



バナー宵居の物語 SITE NAME :  宵居の物語   
 MASTER :  斎木恵佳(さいきけいか)様
 http://www.roy.hi-ho.ne.jp/keik/yoii/
INTRODUCTION: 
この色鮮やかさをぜひ皆様にご覧いただきたくて季節はずれではありますが、あえて秋を題材とした下の作品をお借りしてまいりました。平安の装束・文様に非常に細やかなこだわりのある作者さまでおられ、文様の素材までご自身でつくっておられます。緻密で繊細なそれは、十二単の美しさはその重ねた色合いだけではなく、文様にもその多くを負っていたのだと、改めて見る者に教えてくださいます。生地の風合いが感じられるようなその装束の美しさは必見ですし、美しい十二単の絵姿の作品を素材として貸してくださるのも嬉しいです。(おかげさまで、皆様にお見せできる♪)

画像の上にカーソルをおくと、原寸大の画像をご覧になれます!
―紅葉詠む女


                                         
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・長編 /完結/ 和風ファンタジー
          招 魂 の 香 
アイコン桃2
 桃の節句 平安特集 第二弾                                

SITE NAME  :   燈 華 苑  http://toukaen.fem.jp/
携帯サイト http://fhp.from.jp/touka/

MASTER  :   長谷川 彰子 様    

CAUTION :   Θ性的(性交)シーンがある

STORY ;
二ヵ月後に、東宮への入内を控えた左大臣家の二の姫・美子は近頃憂鬱な溜息ばかりついていた。世の人が羨む自身の境遇も、絵物語の恋にあこがれる17才の彼女にとっては、七つも年下の幼い東宮に嫁ぐことに喜びなど感じられず、妹の薔子に愚痴をこぼすたびに諌められていた。そんなある夜、侍女が彼女の枕元に唐渡りの品だという不思議な香を燻らせる。えもいえぬ香りに包まれ、物語に比べての自身の身の上を嘆いていると、突然彼女を抱きしめる者がいる。恐怖に身をすくませながらも、あらんがきりの力で抵抗する美子。儚い抵抗を封じられ、泣き出した美子の涙を男は固い指で優しく拭う。男の寂しげな瞳と、甘く優しい笑みに魅せられた美子はもう男を拒めなかった。そのまま自身の名さえ明かさぬ男と逢瀬を重ねていく美子だが、彼女の入内の日は近づいてきた。

                                    アイコン本 続きを読む

INTRODUCTION : 
歴史ものを得意となさる作者さまで、サイトには奈良飛鳥平安、古代中国やギリシアを舞台とした歴史恋愛作品や架空史の作品があり、非常に読み応えがございます。実をいえば、はっちはいずれこちらの看板作品ともいうべき架空史作品をご紹介しようと思っていたのですが、平安を舞台とした作品で、拙宅のコンセプトにどんぴしゃのこちらの作品を雛祭り企画?からはずすことができず、少々計画が狂いました・・・(^^ゞ
(ひとまわり?するまでは、一つのサイトさまからのご紹介作品は一つにしようと、なんとなく決めているはっち)

平安時代の恋は暗闇の中から始まる・・・、この作品を読ませていただくと改めてそれを思います。なにしろあの時代の夜の暗さは相当なものだったはずです。身分の高い人々が住まう寝殿づくりの部屋はやたらだだっ広かったわけですから、一つや二つの灯火では、とてもあたりを照らすことなど叶いません。たとえ月がでていても、その光が届かない室内では、頼りない灯りが照らすほんの小さな空間以外は墨を流したような暗闇が広がっていたに違いありません。

たとえ親兄弟でも身分のある女性であれば顔をみせないのが当時の習い。高貴な女性に恋焦がれた男たちは、闇にまぎれてまずは意中の女性の元へ忍んで行かねば恋は始まらなかったわけです。考えてみればかなり乱暴な話です。ほとんどの場合、相手の顔も見たことがないわけですから、ある意味闇なべ的。源氏物語の末摘花のような悲喜劇も多々あったんだろうなとは思いますが、それはそれとして、この現代では想像もできないほどの平安の闇の中で、多くの恋や過ちが生まれ、物語が紡がれていったことも確かであり、それはやはりロマンティックでエロティックです。

本編のヒーローも、そんな闇にまぎれて恋しい女の元へ忍んで行った一人です。入内を控えた美しく高貴な姫君と闇から訪れ闇に去る謎の公達。二人の恋は、異国めいた沈香の薫りが漂う闇の中から始まる・・。この設定だけでもう充分ロマンティックで、エロティックですが、物語を紡ぐ作者さまの筆力も読者の期待を裏切りません。文章は丁寧で読みやすく、作中の会話も現代口語で描かれておりますが、それでいて平安の雅な雰囲気をそこなってはおりません。テンポよくストーリーは進み、読者をあきさせることもありません。割愛?していると思われる部分もありますが、情事のシーンもとても官能的です。こちらの作品も短編ですので、長々しいご説明ははぶきますが―拙宅の雛祭り企画としてどんぴしゃなロマンティックでエロティックな平安の恋物語―お読みいただければその意味はきっとおわかりいただけるはずでございます。




長谷川彰子様のサイトはこちら ちな♪

バナー燈華苑

携帯サイト" サイトはこちら                                       
                                         
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・長編 /完結/ 歴史 和風ファンタジー ・年齢差
          水、流るる如く 
アイコン桃2
 桃の節句 平安特集 第三弾                                

SITE NAME  :   Lyrical−mode  
            http://hiiragi.milkcafe.to/index.htm

MASTER  :   しゅーこ 様    

CAUTION :   作中に15歳未満閲覧禁止ページがある作品  性的(性交)シーンがある作品

STORY ;
受領の娘、澪姫に突然降って湧いた縁談話。 相手は美形陰陽師賀茂保憲だった。 半信半疑で婿殿の到来を待つ澪に保憲が告げた言葉とは…。        
                                    アイコン本 続きを読む

         ――作者さま紹介文より


INTRODUCTION : 
平安特集でこちらの作品をぬかすことはできません。平安を舞台とした人気シリーズの第一作。はっちは初作のこの作品が一番好きです。平安を舞台としておりまして、ヒーローの職業が陰陽師ですから、少々ファンタジー風味はありますが、作品の核となるのはじれったくすれちがう夫婦の恋愛です。(魔法系のファンタジーが苦手な方も充分楽しめると思います)ヒロインに冷たくあたるヒーローだとか、いつしかそのヒーローを恋する健気なヒロインだとか、眼イッパイ私好みの要素がてんこ盛りでございます。今まで拙宅でご紹介した作品に比べると、幾分まったりとした雰囲気が強いのですが、それでも、しっかりはっちのツボを押さえてくださった作品です。おっもしろいです!

作品の核は夫婦の恋愛ですが、舞台となる平安宮中の様子も、さりげなく、それでいてしっかりと描かれております。作品と同じく柔らかく、どこかまったりとして丁寧な文章も、とてもいいです。押し付けがましさも、説明くささもなく、読みやすくわかりやすく描かれた宮中の身分・制度・風習・御所の様子は、物語の舞台背景として、無理なく読者の中にはいってまいります。それでいて、いえ、だからこそ、どこか現代的?な風もあるキャラたちの言動や、ファンタジー的な要素を含むストーリーにも不自然さを感じることはありませんでした。

乱暴な言い方ですが、基本的に小説とは何でもありの世界ですし、読者を騙してナンボの世界です。私はその何でもありの世界で作者さまに気持ちよく騙されたいと思っているひとりですが、なんでもありの世界だからこそ、気持ちよくその世界に浸るために、作者さまの筆に説得力を求めます。特に、架空史ではない歴史をその舞台とした作品の場合、時代の舞台背景に対する知識がある程度読む側にもある場合が多いので、リアルな部分に過不足があると、読者は物語の世界で気持ちよく酔うことができません。よく申しますでしょう、うまく人を騙すためには、その嘘偽りに中に真実を混ぜることだと。その騙しとリアルが、この作品では絶妙に演出されていますので、雅な時代背景舞台の中で進行する、このすれちがい夫婦のじれじれな恋愛物語を、夢から覚めることなく無理なく楽しむことができました。

じれったく、切ないところはあっても、全体的に、まったりとほのぼのと進むストーリーです。情事のシーンも終盤に隠しページであるだけで、物語中の二人はほぼプラトニック状態です。しかし、二人の関係が微妙になるにつれ、ヒロインにちょっかいをかける男に嫉妬したヒーローが我を忘れて彼女に迫ってしまったりと、直接的なシーンよりも、むしろそうしたヒーローの揺れる心情がエロティックで、おもしろかったです。

じれじれやすれちがい、はっちと同じく、最初は辛口の冷たいヒーローがお好きな皆様には、サイトにある他の作品も皆おすすめでございます。(満喫できましてよん♪)


しゅーこ様のサイトはこちら ちな♪

バナーLyrical-mode
                                                                                       
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・短編 /完結/ 歴史
          伊勢物語によせて 
アイコン桃2
 桃の節句 平安特集 第四弾                   
SITE NAME  :   深薫殿  
          http://icymoon.main.jp/shinkun-den/index.html

MASTER  :   氷月 深薫 (ひづきみくる) 様    

CAUTION :    年齢制限は設けられていない作品  


STORY ;
伊勢物語の中に次のような話がある―――

昔、ある男があった。たやすくは妻にできない女で、幾年にもわたって言い寄っていたのをやっとのことで手に入れた。しかし、それは女の親兄弟が許すはずのない、前途多難な恋だった。そこで男は姫君を背負って都から逃げ出す。駆け落ちした男女は芥川という川のほとりまで来る
                                    アイコン本 続きを読む

。そこで草の上に置いていた露を見、「あれはなんですの」と女が尋ねた。しかし男は逃げるのに精一杯。夜も更け、また雷も雨もひどくなってきていたので、荒れ果てて鍵もない蔵の奥に女をひとり押し込め、男はその入り口に立って弓を構えていた。しかし、夜が早く明けてほしいものだと思っているうちに、鬼が現れて女を一口で喰ってしまったのだった。「あれ」と女は叫んだのだが、雷の鳴る騒がしい音に紛れて男はその声を聞くことができなかった。ようやく夜も明けていったところで男が蔵の奥を見ると、連れてきた女が居ない。男は泣き叫んだがなんのかいもなく‥‥‥。そこで歌を詠んだ―――

  『白玉か なにぞと人の 問ひしとき  露と答えて 消えなましものを』

(このようなことになると知っていたのならば、あの光るものは白玉でしょうか、何でしょうか、と芥川のほとりであの人がたずねた時に、露ですよと答えて、その露のように儚く自分も消えてしまえばよかったのに。)
 女が死ぬ前に自分が死んでしまいたかったと嘆いた、ということである。

―――これは伊勢物語の六段、俗に『芥川(あくたがわ)の段』と呼ばれる段の話である。そしてこの話には真相がある―――

女というのは、徐々に権力を伸ばしつつあった藤原氏の娘で、この時すでに帝のもとに嫁ぐことが暗黙のうちに決まっていた藤原高子(たかいこ)。そして男というのは、平安時代きっての好色で、『伊勢物語』の主人公といわれている在原業平である。ふたりは互いに愛しあっていたのだが、高子を帝のもとに嫁がせてその皇子を生ませ、天皇の外戚として権力を握ろうと企む彼女の親兄弟がこの恋を許すはずがなかった。この忍び逢いが世間での噂となると女の兄たちが監視をきつくし、そのためふたりは簡単に逢うことができなくなった。ふたりは遂に駆け落ちをする。しかし、一大事を聞きつけた兄たちが女を取り返した。

―――このことを、この段では鬼のしわざといったのだった。

              作者、氷月 深薫様の「伊勢物語によせて」の冒頭より


INTRODUCTION : 
さて、平安特集ですでにご紹介申しあげた作品の中でも、しきりにでてまいります伊勢物語における業平の逸話とそれにまつわる真相を、作者さまは上の『伊勢物語によせて』でエッセイ風に読みやすく説明してくださっております。この逸話をご存知ない方はもちろん、ご存知な方も、まずはそちらをお読みくださいませ。その上で、『春宵』・『埋み火』の二つの作品へとお進みいただきたいと思います。

私が初めて伊勢物語に接したのは、確か小学生か中学生の時だったと思いますがその時のことはよく覚えています。なぜなら、さらったお姫様をみすみす鬼に食われてしまい、しかもそれに気がつかなかったなんて、なんてまぬけな男だろう、しかも、お姫さまの敵討ちをするでもなく、めそめそ嘆いているなんて、まぬけな上に情けない、これじゃあお姫様も浮かばれない・・・とまあこの主人公(業平)に対する印象がかなり悪かったからです。簡単に高子との逸話も説明されていたのですが、なにぶん幼すぎて、それが意味するところがわからず、それを読んだあともやっぱり、かけおちに失敗するなんて、もっとまぬけ、こんな男をなんで主人公にするんだろう・・・この話ってつまらない・・・というものでした。

しかし、長じて私メが歴史小説にはまっていくと、色々な作品に、この業平の逸話がでてくる事に気づきます。それも、鎌倉・室町と舞台となる時代がくだっていっても、貴族階級の作中の人物たちは男女問わず、なにかしら彼に憧れる物言いをします。男は意中の女を業平の物語のように攫いたいと言い、女は業平のような男に攫われたいと言うのです。なんのこっちゃ・・・?私にとって業平は拐しめいた駆け落ちに失敗して都落ちした斜陽の優男。そんな男がなぜ、こんなにも長い間支持されているのか、本当に不思議でした。若かったなあ・・・・(^^ゞ 今ならわかります。美しい恋人が帝の后になるのが耐えられず、権力者の元から攫って逃げる情熱的な美貌の貴公子と、至高の位を投げ捨てても愛を選んだ高貴な姫との物語は、その企てがたとえ失敗したとしても、世紀のロマンスであり、彼らにとって金字塔であったことが。

作品は、平安はおろか日本史上に名だたる世紀の駆け落ち(の失敗)から数年後のある日、御所の片隅ですれちがった二人の、切なくも痛ましい心情が綴られております。『春宵』は業平の、『埋み火』は高子の視点でそれが吐露されております。

雅やかで華やかな貴族文化が花開いた平安の世。しかしその灯りの届かぬ夜は底知れぬ暗闇が広がっていたに違いなく、それを如実に現しているかのような二人の恋とその終わり。二つの作品は、非常に短くはあるのですが、まるでモノローグ(独白)形式で語られる舞台劇のように、平安の世の、そしてこの恋物語の光と闇がひしひしと伝わってきます。拙宅のコンセプトにはいささかはずれますが、平安特集とするからには、この光と闇も、ぜひ皆様に味わっていただきたく思い、ご紹介申しあげます。


氷月深薫様のサイトはこちら ちな♪

バナー深薫殿
                                                                       
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・短編 /完結/ 歴史 和風ファンタジー
          花 鎮 祭 
アイコン桃2
 桃の節句 平安特集 第五弾                   
SITE NAME  :   葦 丸 屋   
             http://f34.aaa.livedoor.jp/~ashimaru/index.htm

MASTER  :   武水 しぎの  様  

CAUTION :    年齢制限は設けられていない作品  性的(性交)シーンがある作品

STORY ;
桜の下で人を喰らう鬼。そしてその鬼を喰らう夜叉。 妻問いに出た長経の出あった怪異譚。            
                                    アイコン本 続きを読む

INTRODUCTION :
平安時代・桜・鬼・・・・いつからそれがインプットされたかはさだかではないのですが、私メの脳内で、それらはセットでイメージされております。平安ものをご紹介するからには、鬼と桜が登場する物語を一つはご紹介したいと思っておりましたが、この作品は、もう、私メのイメージにぴったりでございました。

今昔物語などにもよく出てまいりますが、当時の人々は男女問わず、佳人に化けた鬼に心と命を奪われた人が多かったようでございます。化けたというのは語弊があるかもしれませんね、佳人が妄執を残して没してのち、鬼となる・・・ケースも多いわけですから。
歌舞伎や謡曲の題材ともされた古典の中の鬼たちは、もっぱら高僧や英雄に調伏され成敗されるべき対象でしたが、人々が夜を怖れなくなり、怪奇にも無縁の生活を送るようになると、世の常識を超越した美しさと怖ろしさ、そして強さと儚さをあわせもつ鬼を愛でる現代人もでてまいりました。私メもその一人。美しい鬼が出てくる耽美でダークな物語はかなり好みです。

そして、美しい鬼と桜はよく似合います。なぜ、鬼が桜の木の下によく出没するのか、それについても、作中で説明してくださっておりまして、それもまた嬉しかったりします。
文章は雅やかで美しく、よい意味で、とっても古典的。冒頭から読者を無理なく平安の世へトリップさせてくださいます。歴史ものをメインに描かれる作者さまゆえのワザかもしれません。
見目麗しい鬼が人を誑かすのは古典にならってお約束どおりの展開ですが、お約束どおりの展開だからこそ、読者がそれを、ああまたかとがっかりするか、それでもおもしろいと楽しむことができるかで、作者さまの力量が問われます。この作者さまの美しくも巧みな筆は、読者を失望させることはありません。


印象的かつ官能的な情事のシーンもイイですし、その後の展開の美しも怖ろしい映像的な描写もイイです。平安・鬼・桜。ダークで耽美、そしてエロス。短いながらも、この作品でそれらを満喫することができました。




武水しぎの 様のサイトはこちら ちな♪


葦 丸 屋                                                                    
                            
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