Cocktail Break      
大人の女性のロマンチシズムとエロチシズムを快く刺激する、すてきなオンライン小説、イラスト、コミックを、
         有名無名、年齢制限あるなしにかかわらず、はっちがご紹介してまいります。
            女性向きですが B L はありません♪
                                                
【 2008年06月 】 の更新履歴
06/07 氷 の 城  【 NOVEL 歴史 】 
06/10 スカーレット  【 NOVEL ファンタジー 】 
06/17 帝王に愛された女  【 NOVEL ファンタジー 】 
06/26 ニセモノシガレット  【 NOVEL 現代 】 
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・長編 /完結/ 歴史
          氷 の 城 
SITE NAME  :  地リスの応接間   http://jiris.fc2web.com/index.html

MASTNER  :   j i r i s 様  
         
CAUTION :    年齢制限は設けられていない作品  性的(性交)シーンはないが官能的な雰囲気がある作品

STORY ;
中世イングランド。アストリッドは領土を安堵したい兄に連れられ、厳寒の最中、城主の元へと嘆願へ向かう。年老いた城主は、名高い武将ながら、戦場の傷が癒えず、今は病の床にあるとの噂だった。城主の亡き愛妻に連なる血筋、そしてその面影をやどしていると言われるアストリッド。嘆願が聞き届けられた後、彼女は彼の寵を受け、塔に住まいするようになるが、暗闇の中訪れる主は彼女に素顔を見せることはなく、彼女もまた人前へ出る事を禁じられる。退屈を持て余し、高い塔の窓から外をみていた彼女はある日、以前立ち寄った修道院で出会った若い騎士の姿を見つける…。                  
                                    アイコン本 続きを読む

INTRODUCTION :
オンライン恋愛小説のファンでこちらのサイトさまをご存じない方がいたとしたら、それはもう失礼ながらモグリとしか申せません。それくらい有名かつ、驚異的なサイトさまでございます。なにが驚異的かと申せば、公開されている作品の質・量・速さでございます。本当に、こちらのサイトさまの作品だけで全集ができてしまうくらい多作でありながら多彩!作者さまのイマジネーションの泉は、枯れることがなく無限であるとしか思えません。

膨大といってよい作品群は、舞台とする時代も場所も設定も本当に多種多様であり、バラエティ豊かとはまさにこの作者さまのためにあるような言葉であります。後から後から湧き上がり溢れ出てくるアイディアとイマジネーションを、作者さまは零すことなく、流れるにまかすことなく丁寧に生真面目に、そしてまた貪欲に作品として形にし続けてらっしゃる…そんな印象さえ受けます。

どの時代、どの国を舞台とした作品であっても、そこには、それぞれの時代風俗、背景、国情をきちんと把握し消化なさった上のご執筆であることが伺われ、作者さまの歴史に関する知識の広さと幅にはただただ驚くばかりです。しかもそのほとんどが完結なさっておられ、連載中の作品の更新も滞ることが全くないのです。オンノベファンの皆様であれば、それがどれほどありがたくも難しく、稀有なことか、よくよくご存知でございましょう。作品と読者に対するのその真摯でご誠実な姿勢には、深く深く感謝と尊敬の思いを抱かずにはいられない作者さまであります。

さて、本編の舞台は中世イングランド、領地争いの裁定を求めて領主の元へ兄と参じた貴族の令嬢がヒロインです。どの時代、どの国を舞台とした作品であっても、ほぼ共通するのはヒロインの精神の健やかさなのですが、この作品でもそれを感じました。領地を安堵したい家長たる兄の命で、年老いた城主へ侍ることになるうら若きヒロインに愛妾となって時めきたいという野心などありません。かといって、自身を人身御供だと憐れむような悲壮も卑下もありません。愛する故郷の森を守りたいがため、家族のために尽力できることに誇りさえ感じながら、傷つき老いた城主を慰める役目を従順に、そして主体的に受け入れるのです。運命を従容と受け入れているように見えて、そこには確固たるヒロインの意志があり、そのしなやかなたくましさこそが、この作者さまの描くヒロインに共通する魅力だと私メは思っております。

暗闇の中ヒロインの元へ通う城の主は素顔を見せず、ヒロインが知るのはその熱と声のみ。その設定はまるでプシュケの物語のようにエロティックですが、そこには物語の謎が秘められております。厳寒のイングランド、十字軍帰りの騎士、素顔を見せない貴人、修道院、古城、隠し扉、塔の佳人、作品は、まさに中世ハーレーを彷彿とさせる世界であり、ゴシックならではのミステリアスな雰囲気とロマンスが満喫できる作品です。

平易な文章は読みやすく、物語は滞ることなく展開してゆき、あっと言うまに最後まで読み進んでしまいます。作者さまの筆力、読ませる力には脱帽であり、あらゆる意味で本当に驚異的な作者さまであります。
ご紹介の作品の単独目次はこちらから。


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・長編 /完結/ 異世界 架空史 西洋風ファンタジー ・主従
          スカーレット 
SITE NAME  :   梔 子   

MASTER  :   海野 細魚 様 http://erythronium.web.fc2.com/index.html
 
CAUTION :  年齢制限は設けられていない作品  性的(性交)シーンがある作品  レイプシーンがある作品  残虐・流血シーンがある作品

STORY ;
屋敷の中は赤く染まっていた。
からくも惨劇を逃れた私は、妹をつれ、私を助ける男と共にあてどない旅路を辿る。
曖昧な記憶の綴じ目がほどかれるとき、私が得るものはなんであろうか。
                       ―――作者さまによる作品紹介文
                                    アイコン本 続きを読む

INTRODUCTION :  
先日、現代を舞台とした主従モノをご紹介したばかりですが、この作品もまた主従をモチーフとして描いた作品であります。しかも究極的であります。主従モノに憧れる私メの気持ちは多分にミーハー的なものでありまして、女性なら誰でも、否、人間なら誰でも持っているであろう、自分を無条件で受け入れ、尊重してくれる存在への憧憬…主従モノはそのツボを端的に突いてくるわけです。しかも、友情や恋愛、家族など、普通密度の濃い関係であれば必ず生じるであろう軋轢や衝突もなさそうで、実に居心地がよさそうです。(言ってみればイイトコドリですね)加えて申しあげれば、幼い頃読んだ名作によく登場した、主人に忠実で無償の愛と癒しを与えてくれる強くて大きくて優しい動物たち。彼らへの憧れもそれに拍車をかけていたかもしれません。

さて、そのようにミーハー的に主従モノに憧れていた私メでありますが、この作品にはガツンとやられましたです。もう、ガツンとしか申せません。酔いしれてしまうほど耽美で、胸をえぐられるように残酷で、情熱と冷酷がないまぜになったこの激しくも静謐な愛の物語の、毒と蜜に、見事にノックアウトされました。もう、最高でした!

上っ面でしか主従関係を捉えていなかった私メは忘れておりましたが、究極の主従関係とは、ただ単に自分をまるごと無条件で受け入れ尊重してくれる存在が、仕え守り忠誠を尽くしてくれるという夢のように居心地がよく、都合がよいだけの関係ではなく、同じ人間でありながら、支配するものと支配されるもののという、ある意味非常に歪な関係性が根幹にあったのです。歪ではあっても、両者の間に明確な契約、代償とも言うべきものがあれば、その歪さもそれほど歪んでは見えません。労働の対価としての金銭、忠誠の対価としての碌や領土や身分、あるいは生命と財産の保護、またはその恩義。それらは皆、主の側に何らかの優位性があってはじめて生じる関係です。主たる支配者の側に与えられる力、ものがあるからこそ、従者は支配されるものとしてその前に膝を折るわけですから。

けれども、支配する側に、主の側に、与えられるべきものや力がなくなったとしたらどうでしょう?遠からず下克上、主への離反が避けえないことは歴史が証明しております。少なくとも、支配、被支配の厳然たる上下の関係性は崩れてしかるべきでしょう。

帰るべき家を失い、逃避行を続けるヒロインには、寡黙な従者に与えられるものは何もありません。かっては存在した身分の差など、それを裏打ちすべきものを失ったヒロインと従者にとって意味などないに等しく、それでも尽くすべき恩義や、主従の強い絆が、二人の間にあるとも思えません。しかし、彼女に仕え、彼女を守る彼に邪心は感じられず、謎めいてはいても、その姿は忠実な従者以外の何者でもないのです。物語が進むに連れて、この、名さえない、従者の存在感はじわじわと重く、深く物語を支配してゆきます。従者へ依存せざるをえないヒロインの不安と焦燥、その揺れ動く複雑な心情は、そのまま読者へと投影され、この謎を秘めた従者と物語へ否応なしに引き込まれてゆくのです。遠い記憶の隙間から、ちらちらと垣間見える過去と真実、それに翻弄され怯えるヒロイン。やがて迎えた物語のクライマックスで、何ゆえにこの従者がヒロインに仕えてきたのか、彼女は彼を支配するべき何をもっていたのかがようやく明かされます。蓄積された不安と謎が大きかったからこそ、それはヒロインのみならず、物語に引き込まれ、読み進んできた読者である私メにとってもある種の解放ともいえるシーンでした。一連のシーンの過激ともいえる残酷さ、それでも鮮烈で目(?)を離せない禍々しい美しさ、それらはこのドラマティックな物語のクライマックスにふさわしいものでしたが、同時にそれは、二人の今までの関係の終焉であり、転換でもあったのです。

圧巻は、全てが終わった後の従者の慟哭ともいうべき緋色のエピローグでした。ダークな物語でありながら、その色濃く、鮮やかで鮮烈な印象と官能美はもうすばらしくて最高です。無駄がなく簡潔な文章は読みやすく、それでいてこの薫り高い作品にふさわしく美しいです。読ませる文章、読者を引きずりこむ?ストーリーメーキングと描写の見事さは引きずり込まれて嬉しいとしか申せません。これほど深い感動を味わったのは本当に久々でありました。ダークでドラマティックな大人の激辛作品がお好きな方であれば、私メと感想を同じくしてくださるのではないかと存じます。



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・長編 /連載中/ 異世界 架空史 西洋風ファンタジー
          帝王に愛された女 
SITE NAME  :   碧い羽根の軌跡    

MASTER  :   Cherry 様  http://cherry-rin.hp.infoseek.co.jp/
 
CAUTION :  年齢制限は設けられていない作品  性的(性交)シーンがある作品  レイプシーンがある作品  一度に二人以上との性交シーンがある作品  残虐・流血シーンがある作品

STORY ;
大国オーシライに無謀な戦をしかけたカティラゴは滅んだ。父王も母も、そして幼い弟皇子も目の前で殺され、ティシアは恐怖に震えながらも、王族としてふさわしい最期を迎えるべく、自分を見下ろす敵王の目を真っ直ぐに見返す。その場で最期を迎えるはずだったティシアだが、王の目が彼女の髪に移り、見事な深紅の髪にその緑色の目を細めた時、運命は変わった――。
                                    アイコン本 続きを読む

賢王と名高いジュライの褥に侍る身となった彼女を、彼は周囲の反対を押し切って正妃とする。滅んだ敵国の皇女であるティシアを謗る家臣や侮る後宮の女たち、正妃となってもオーシライの王宮は彼女にとって針の筵か氷室のようなものだった。そんな彼女を守るでもなく、疎んじるでもないジュライだが、彼の王としての威厳と人間としての魅力は次第にティシアの心を奪っていく。失った母国と家族、民への思いは絶ち難く、ティシアを苦しめるが、ジュライを知れば知るほど、母国が滅んだ責も非も、彼にはないことに気づかざるをえない。彼が気まぐれにみせる優しさや閨で彼女を「赤毛の女」と呼ぶかすれた柔らかい声もティシアの心をかき乱す。しかし、ジュライはティシアを愛しているわけではない。ジュライに滅ぼされたカティラゴの皇女としては許されず、また報われることもない、救いのない恋情を次第にティシアは募らせていく…。                     

INTRODUCTION :  
ネット海がいかに広く深くとも、愛憎うずまくどろどろの復讐劇でこの作品の右にでるものはまずないのではないでしょうか?更新が滞って久しいサイトさまでありますが、そりゃあもう、知る人ぞ知る、と申しますか、オンノベ恋愛作品のファンの方に復讐モノはとお尋ねしたら、必ずといってよいほど名前が挙がるのがこの作品です。それくらい隠れ?有名作品であります。

も〜っのすごくおもしろい作品です。読み出したら、止まりません。でも、でも、同時に、切ないをか〜るく越えて、と〜っても痛くて、と〜ってもキツクくて、と〜っても辛い作品なのであります。私的には、もう、超激辛だと思います。辛口好みの私が申すのですから、いかに激辛かお察しくださいませ。とにかく、痛かろうが、辛かろうが、私が読者として、ここまで感情を激しく揺さぶられる作品はそうございません。つまりそれは、取りも直さず、この作品が、いかに魅力と迫力と力量がある、見事な作品であるかも物語っているわけでございます。

戦勝国の王と敗戦国の皇女というオンラインの世界ではおなじみのカップリングですが、読者の予想と期待をぐさぐさと裏切りながら、それでいて作品のおもしろさと魅力は保ったままで物語は進みます。第一部の前半は、仇の褥に侍らねばらなくなった皇女の運命と、その揺れ動く心情が、もう切ないやら、じれったいやら、痛々しいやら…とにかく、すっかり感情移入できてしまうのです。それでも、ああ、ヒロインの思いが通じるといいなあと、まあ、割りとのんびり?楽しませていただきました。ところがです、だんだん、物語が進むにつれて、そんな悠長なことは言ってられなくなります。

懊悩と葛藤に苛まれながらヒーローへの愛を自覚したヒロインに、さらなる苦難が押し寄せます。ここがもう、痛くて痛くてたまらないのです。泣けてしまいます、ヒロインが可哀想過ぎて。ヒロインにすっかり感情移入してしまった私メは、読みながら、このヒーローを罵倒しまくりました。もう、できることなら、この王様の首を絞めてやりたかった!オンノベ恋愛作品の中で、彼は私メが許せないヒーローとしてぶっちぎりで一位です。

ネタバレをせずにご紹介するのが、非常に難しい作品でございます。なぜに、私がかくも彼を責めるのか。ヒロインとヒーローはどうなるのか。復讐とは誰が誰に対して、あるいは何に対して、いかなる形で果たそうとするのものなのか。またその結果はどうなるのか…?それを申しあげては、お読みになる方の楽しみを半減させてしまいますので、ぜひご自身でお確かめくださいませ。

人と人、国と国との愛と憎しみ、二代に渡る復讐劇は壮大で、まるで叙事詩のような趣さえあります。運命に翻弄されるヒロインの波乱に富んだ物語は、本当に読者をあきさせません。(あきるより何より、どうなるのよ、どうなるのよと、読み始めたら引き込まれ、ノンストップで読み進むしかないでしょう。)わかりやすく、読みやすく、丁寧な文章もそれに一役かっているのでしょう。読者を翻弄するほど見事で、ある意味潔いストーリーメーキングには脱帽します。そして、時として痛いと感じるほど見事な情景描写、映像的なそのシーンを読むだけで、作中人物の心中が想像できてしまうほどです。物語は第二部が終了し、第三部が始まったばかりで更新がストップしております。けれども、第二部の結末で完結としてもよいほど、物語として完成されておりますし、お腹?が一杯になるほど読み応えがございます。



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・長編 /完結/ 現代 ・年齢差 ・年下 ・腹黒 ・Sキャラ
          ニセモノシガレット 
SITE NAME ;   nisemono cigarette (ニセモノ シガレット) 
           http://niseciga.holy.jp/index.html

MASTER  :  南 潔 (みなみ きよし)様  

CAUTION :    年齢制限は設けられていない作品  性的(性交)シーンがある作品

STORY ;
ニセモノのシガレット(お菓子の煙草)を口にくわえた少年が階段に坐っていた。驚いた夕凪は抱えてい箱からペットボトルを落としてしまう。それがきっかけで、彼女は時折り出会うその少年―馨と親しく言葉を交わすようになる。そっけなくて、年上の夕凪をたじたじさせてしまうほど大人びて辛辣かと思えば、気まぐれに優しく、そして綺麗な笑顔を見せる馨。馨と会えると嬉しい…素直にそう親友に語る夕凪に、かって彼女が同じように語った相手のことを思い出して、親友は心の中で警報を鳴らす。夕凪の告白に何の返事もせずに去り、それゆえに、行き場を失った恋心を長くひきづることになってしまった相手―玲人。二年ぶりに帰国した彼は、ある日突然、夕凪の目の前に現われる。

                                    アイコン本 続きを読む

INTRODUCTION : 
もうすぐ一周年を迎えらる、とてもフレッシュなサイトさまですが、サイトと同名のこの作品の魅力でオンライン恋愛作品ファンの間ではかなりの人気を博しておられます。もちろん、管理人も大ファンでありまして、昨年はじめてこの作品を知ってからというもの、更新を楽しみに日参させていただいております。H20.6月現在、物語は、かなりの佳境にさしかかり、もう私メ、わくわくどきどきでございます。

完結を待ってご紹介させていただくつもりでおりましたが、更新を楽しみに連載を追いかけるのも、オンライン作品ファンにとっては、楽しみのひとつ。まして、この作品は、「これぞ、理想の連載モノ!」と思えるほど連載中ならではの醍醐味が味わえるのです。物語の前半部分では、一話一話の映像的な短いシーンが、まるでドラマのように切り替えられ、積み重ねられていきます。そして、だんだんと作者さまの術中に嵌り、読者がこの作品に夢中になった頃、文字数も増えた一話には大小の見せ場や山場が盛り込まれようになるのですが、それが盛り上がったところで、読者にとっては非情にも思える―to be continued ―となるのです。連載を追いかけている最中(今もですが)、くぅ〜この先が読みたいっ!―と、何度身もだえしたことか。本当に、作者さまの巧さが憎らしくなるほどです。その身もだえするほどのおもしろさと楽しさを、私メとご一緒にぜひ皆様にも味わっていただきたくご紹介に踏み切りました。ありがたいことに、作品の更新頻度も高いほうで、定期的です。(月に3〜4回)時折り間があくこともございますが、それとて、待ちきれなくなるほどではございません。なにより、この作品であれば、待ってもいい!否、待たせてください、待たせていただきます、とまあ、思わずとっても健気で従順なファンになってしまう作品です。 

キャラもストーリーも実に、はっち好みでありますが、私がここまで、はまってしまったのは、シーン展開の巧みさももちろんですが、なによりもそれを引き立たせる、この作者さまの文章の独特の雰囲気によるものが大きいと思います。読みやすく、わかりやすい、でも、それだけではないのです。丁寧ではあっても、派手な修辞や、凝った言い回しなどはないこざっぱりとした文章なのに、なぜに、この作者様の文章は、読んでいてかくも快く感じるのでしょうか。そっけないと思えるほど訥々と語られていく文章の行間に、ひっそり控えめな情緒が綺麗に滲んで見えるようで、それが何とも言えず快く、そしてとても、しっくりとくるのです。夜明けの月のように清澄で、ひんやりとしていて、それでいて柔らかさと嫋やかがある文章です。ご説明するのは難しいですが、皆様もお読みいただければ、この、原因不明?ともいえる快さ、きっとご実感なさることと思います。

ヒーロー(たち)はもう最高です。なにしろ、屈折ヒーロー大好きなはっちでございます。そっけなくて、気まぐれ、大人びてはいるけれど大人ではない、アンバランスな魅力の年下の少年。そして、大人のずるさと冷たさ、優しさと寂しさと色気を滲ませる、年上の男。二人が二人とも、理想的な恋人には程遠い、かなりエゴイスティックで屈折している(に違いない)微糖(無糖かも?)タイプの困った男たち。でも、だからこそ、憎らしいほど魅力的で、セクシーで、スパイシーに女心をかき乱す要素に溢れております。こんな男たちに出会って翻弄されてしまうヒロインは、さて、ご愁傷様と憐れむべきか、女冥利に尽きると羨むべきか…私は当然羨ましいクチです。(笑)

さて、そのヒロインは、押しの強いタイプには押し切られてしまう、どちらかといえば大人しめの女性です、年齢の割りには危なっかしいところもあるのですが、それがことさら男性の庇護欲を誘うとも思えない、華とアクがあるヒーローたちに比べれば、かなり凡庸な雰囲気の女性です。けれども、恋愛作品として、山も谷もあるこの物語で、その時々の彼女の言動は自然体で、それがとても好感が持てるのです。作者さまが丁寧に描かれた彼女の性格や思考は、時折りヒーローたちにかき回されるとは言え、根っこの部分が非常に安定していて、気負いも気取りもなく、わざとらしく鬱陶しい卑下もありません。ありのままの自分をありのままに受け止め、そして、ありのままの相手をありのままに受け止めていくヒロインです。そんな、彼女の柔らかさ?はある意味人としての強さに通じ、凡庸に見えて、実は彼女は稀有な個性の持ち主かもと思います。翻弄されているように見えて、実は彼女こそがヒーローたちの心をざわめかせているのかもしれません。

ストーリーもキャラも、文章も、野暮ったさや泥臭さは微塵もありません。粋で、シックで、スタイリッシュな、都会的な洗練を感じさせる作品です。ストーリーは、かなりいい感じに盛り上がってきております。完結まで遠いのか、近いのか、それさえもまださだかではありませんが、とにかく皆様、ぜひお読みになってくださいませ。そして、はっちとご一緒に、ニセシガのおっかけとなって、馨と玲人の一挙一動に、一喜一憂いたしましょう!【2008.8.完結】


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