白鳥の王子
作者の鷹宮ゆうりさまは、2009.1月現在、石田累さまというペンネームで年齢制限のない作品のご執筆に専念なさっておられます。ご紹介の「白鳥の王子」につきましては、年齢制限のないバージョンが、石田さまのリニューアルサイト「天上の藍」にてご覧になれますので、2009.1.24.「白鳥の王子」を「天上の藍」公開作品
として記事の内容を改訂させていただきました。
として記事の内容を改訂させていただきました。

秋の夜に読みたい大人のメルヘン特集 第8夜
GENRE : オンライン小説 恋愛小説非R18
SITE NAME : 「情熱のキスを君に」 15R&18R 2008.12.6.ご閉鎖
「天上の藍」 http://taiyomoo.sakura.ne.jp/
MASTER : 鷹宮ゆうり さま 改め 石田 累さま

CAUTION :



STORY :
白鳥に変えられた兄の呪いを解けるのは、肉親の情を超えた愛し合う男女の強い情愛で結ばれた女の献身のみ―その女は6年の間沈黙を守り、鋭い棘と毒のある刺草で衣を1000枚編み続けねばならない―。兄の妻はたった三日でその苦行を投げ出した。愛する兄のため、白い手が黒く染まり、血を滲ませ荒れ果てるのも厭わず、ひたすらに衣を編み続ける妹姫リージア。そんな彼女を無理やり妻にした赤い髪の傲慢な王は、いくら体を重ねても物言わぬ妻に苛立ちを隠せないが、それでも彼女のために刺草を届け続ける―。
作品のご紹介&感想
秋の夜に読みたい大人のメルヘン特集、この作品が特集の最後のご紹介作品となります。名作童話を題材としたかなりエロティックな作品ということで、楽屋裏でも予告させていただきましたが、さて皆様の予想は的中なさいましたでしょうか?オンライン小説ファン、そして拙宅のご常連さまにはお馴染みの、鷹宮ゆうりさま作、そして現代モノが多いこちらのサイトの作品では珍しいファンタジー作品です。エロチシズムとロマンチシズムをコンセプトにしております拙宅の、ささやかとはいえその特集のトリを飾っていただくにふさわしい作品であります。
拙宅でこちらの作者さまのオンライン小説ファンをご紹介するのは三作目になります。既知の皆様にはもうご存知のことと思いますが、なにしろハズレのない作者さまでありますから、この作品も、もっのすごく、おもしろいです!どこがどう優れておもしろいかということは、先の2作の時に語りつくした感がございますので割愛いたしますが、文章力、説得力、構成、キャラ、ストーリー、ともかく全てがハイレベル、秀逸な作者さまであり筆力であります。それはもう作品をご一読なさればどなたでもご納得なさるに違いありません。
長編オンライン小説の多いこの作者さまには珍しいともいえる短編ですが、短編とはいえ、読みは応え充分!(作者さまご自身が短編とご説明なさっておられますので短編としましたが、オンライン小説的には実質中篇といってよいかと)童話を題材とした作品ではありますが、この作者さまただのパラレルを書かれるはずもありません。白鳥に変えられた兄たちの呪いを解くために沈黙を守り続けて刺草の衣を編み続ける姫の物語は有名ですが、原作をご存知の方も、あの童話がここまでロマンティックで、ドラマティックで、エロティックな作品になるのかと、びっくりなさることウケアイであります。この作者さまならではの絶妙なストーリーメーキングがまたしても光りまくっている逸品でして、徹夜するほどの長さはありませんが、それでも読み始めたら止まりません!
兄の呪いを解くために一切口をきかずに衣を編み続けるのは原作の通りですが、ここに作者さまは、呪いをかけられた者と心の底から愛し合っているものでなければその呪いを解くことはできない…肉親の情では足りない、男女の間に存在する強い情愛こそが、呪いをとく鍵となると―という原作にはない、実に嬉しくもドラマティックな設定を加えてくださいました。この兄妹が男と女として愛し合っている―のかどうかはひとまず脇においておくとして、ヒロインは、兄嫁が投げ出した苦行を、兄を愛するがゆえに担おうとするわけです。
しかしです、童話世界とはいえ中世キリスト教会に似た権力が存在する(らしい)この物語世界において、もしも、彼女が6年の苦行をやりとげて、1000枚の衣を編み終えれたとしても、その時兄の呪いが解けてしまえば、二人は教会の大敵、近親相姦の大罪を犯した罪人となってしまうわけです。ヒロインを激しく憎む兄嫁は、呪いが解けようが解けまいが、彼女を魔女として処刑してやろうとテグスネひいてその日を待っていたりします。6年の後、1000枚の衣は出来上がるのか、出来上がるとして果たして、兄の呪いは解けるのか、解けるとすればそれはそのまま、二人が兄妹の絆を超えて愛し合っていたことに他ならず、さすれば近親相姦の大罪人として処されるのは不可避!一体全体、どうなってしまうのか…?どっちに転んでもヒロインにとっては八方塞がり、めでたしめでたしにはない難いこの状態を、読者はどきどきはらはらしながらも物語を読み進むしかないのです。
兄を愛し、兄のために沈黙を守り続けるヒロインを強引に妻にした隣国の王。彼がまたイイです。彼はまさしく、はっちがこよなく愛する典型的な屈折ヒーローであります。はっちと趣味を同じくなさるこのテのヒーローに弱い皆様は、KOされてしまうことウケアイであります。しかもです、このヒーローは甘くはなく、そしてまた、ストーリー展開も決して甘くはなりません。そんな倣岸不遜な男がふと垣間見せる優しさに心ほださるヒロインですが、彼がどれほど望んでも、兄の呪いをとくためには沈黙を守るしかないヒロイン。中盤から終盤にかけて、もう、ヒロインにとっては、そしてヒロインに感情移入してしまった読者にとっては、切ないこと極まりない展開があるのですが、そこがまた最高でして、ぜひとも皆様に、その切なさを満喫していただきたい!
【中短小説】⇒【白鳥の王子】とお進みください。
★新館でも開催中 『秋に読みたい大人のメルヘン特集 』 はこちら から石田累様のサイトはこちら

秋の夜に読みたい大人のメルヘン特集、この作品が特集の最後のご紹介作品となります。名作童話を題材としたかなりエロティックな作品ということで、楽屋裏でも予告させていただきましたが、さて皆様の予想は的中なさいましたでしょうか?オンライン小説ファン、そして拙宅のご常連さまにはお馴染みの、鷹宮ゆうりさま作、そして現代モノが多いこちらのサイトの作品では珍しいファンタジー作品です。エロチシズムとロマンチシズムをコンセプトにしております拙宅の、ささやかとはいえその特集のトリを飾っていただくにふさわしい作品であります。
拙宅でこちらの作者さまのオンライン小説ファンをご紹介するのは三作目になります。既知の皆様にはもうご存知のことと思いますが、なにしろハズレのない作者さまでありますから、この作品も、もっのすごく、おもしろいです!どこがどう優れておもしろいかということは、先の2作の時に語りつくした感がございますので割愛いたしますが、文章力、説得力、構成、キャラ、ストーリー、ともかく全てがハイレベル、秀逸な作者さまであり筆力であります。それはもう作品をご一読なさればどなたでもご納得なさるに違いありません。
長編オンライン小説の多いこの作者さまには珍しいともいえる短編ですが、短編とはいえ、読みは応え充分!(作者さまご自身が短編とご説明なさっておられますので短編としましたが、オンライン小説的には実質中篇といってよいかと)童話を題材とした作品ではありますが、この作者さまただのパラレルを書かれるはずもありません。白鳥に変えられた兄たちの呪いを解くために沈黙を守り続けて刺草の衣を編み続ける姫の物語は有名ですが、原作をご存知の方も、あの童話がここまでロマンティックで、ドラマティックで、エロティックな作品になるのかと、びっくりなさることウケアイであります。この作者さまならではの絶妙なストーリーメーキングがまたしても光りまくっている逸品でして、徹夜するほどの長さはありませんが、それでも読み始めたら止まりません!
兄の呪いを解くために一切口をきかずに衣を編み続けるのは原作の通りですが、ここに作者さまは、呪いをかけられた者と心の底から愛し合っているものでなければその呪いを解くことはできない…肉親の情では足りない、男女の間に存在する強い情愛こそが、呪いをとく鍵となると―という原作にはない、実に嬉しくもドラマティックな設定を加えてくださいました。この兄妹が男と女として愛し合っている―のかどうかはひとまず脇においておくとして、ヒロインは、兄嫁が投げ出した苦行を、兄を愛するがゆえに担おうとするわけです。
しかしです、童話世界とはいえ中世キリスト教会に似た権力が存在する(らしい)この物語世界において、もしも、彼女が6年の苦行をやりとげて、1000枚の衣を編み終えれたとしても、その時兄の呪いが解けてしまえば、二人は教会の大敵、近親相姦の大罪を犯した罪人となってしまうわけです。ヒロインを激しく憎む兄嫁は、呪いが解けようが解けまいが、彼女を魔女として処刑してやろうとテグスネひいてその日を待っていたりします。6年の後、1000枚の衣は出来上がるのか、出来上がるとして果たして、兄の呪いは解けるのか、解けるとすればそれはそのまま、二人が兄妹の絆を超えて愛し合っていたことに他ならず、さすれば近親相姦の大罪人として処されるのは不可避!一体全体、どうなってしまうのか…?どっちに転んでもヒロインにとっては八方塞がり、めでたしめでたしにはない難いこの状態を、読者はどきどきはらはらしながらも物語を読み進むしかないのです。
兄を愛し、兄のために沈黙を守り続けるヒロインを強引に妻にした隣国の王。彼がまたイイです。彼はまさしく、はっちがこよなく愛する典型的な屈折ヒーローであります。はっちと趣味を同じくなさるこのテのヒーローに弱い皆様は、KOされてしまうことウケアイであります。しかもです、このヒーローは甘くはなく、そしてまた、ストーリー展開も決して甘くはなりません。そんな倣岸不遜な男がふと垣間見せる優しさに心ほださるヒロインですが、彼がどれほど望んでも、兄の呪いをとくためには沈黙を守るしかないヒロイン。中盤から終盤にかけて、もう、ヒロインにとっては、そしてヒロインに感情移入してしまった読者にとっては、切ないこと極まりない展開があるのですが、そこがまた最高でして、ぜひとも皆様に、その切なさを満喫していただきたい!
【中短小説】⇒【白鳥の王子】とお進みください。
★新館でも開催中 『秋に読みたい大人のメルヘン特集 』 はこちら から石田累様のサイトはこちら


