風 車 の 節
GENRE : オンライン小説 恋愛小説非R18 R15
SITE NAME : 「 ワカメノ浅知恵」
http://www.tinaco.sakura.ne.jp/
MASTNER : ち な こ 様

CAUTION :



STORY ;
城下の商家の一人娘として生まれた珠里。跡取りを産む事ができなかった母は、それを罵る祖母と頼りにならない父に見切りをつけ、ご領主の生まれたばかりの若君の乳母として奉公へ出てしまった。母に置き去りにされた珠里は、祖母の罵倒と折檻を母の代わりに受けながら、誰からも顧みられることなく育つ。母が恋しくてならなかった幼い頃、たった一度だけ訪れた領主の館でみかけた、生き生きと立ち働く母と、母の膝に甘える若君さまの姿。その時、若君さまが珠里にくれた青い風車の玩具は、今も珠里の手元にある。そろそろ縁談も持ち込まれようという14の年、母から嫁ぐまで領主の館で一緒に働いてほしいという手紙がくる。生まれた初めて母と共に暮らせる喜びに、一も二もなくその申し出を受ける珠里だが、母が彼女を呼び寄せたのは親子の情などではなく、乳母としての自らの立場を守るためだった。
作品のご紹介&感想
もう、最高に切ないオンライン小説です。切なくて、切なくて、涙なくては読めません!しっとりとした雰囲気ではありますが、ある意味、激辛作品。
ヒロインと彼女が仕えるヒーローとの間には歴然とした身分の差、主従の関係が横たわっています。ヒロイン視点で語られる美しく丁寧な文章は女性的な柔和さに溢れ、その語調は全編、恭しい事この上ない敬語で通されていますが、決して読み辛さも、わざとらしさも感じません。ヒロインが主であるヒーローをいかに敬い、いかに自らを滅して、ただひたすら献身的に彼へ仕えているか、それがこの語調からも読者には自然と伝わり、そんな彼女が余計にいじらしく切なく、痛ましく感じられてくるのです。もう、女性読者であれば、この健気なヒロインに感情移入せずにはいられないでしょう。
ヒロインの語調もそれに一役買っているとは思うのですが、一つ一つのシーンはとても映像的で、情感があります。主役の二人をつなぐ青い風車、二人が夜を重ねたあとに、ヒーローの身を清めるヒロインのシーンの描写は特に切なく、とても印象的です。あまりにも献身的でいじらしいヒロインは、自身の分をわきまえすぎるくらいわきまえて、その言動は非常に謙(へりくだ)っているのですが、それでも読んでいて不愉快に感じる卑屈さはありませんでした。運命を受け入れながらも、それでも、そこには秘められた強い意志があり、嫋やかではあるけれど、芯の強い女性であるからだと思います。
彼女の口を借りて語られる他のキャラ、乳母である彼女の母もそして実家で働く若い番頭も、短く簡潔なシーンながらも、そこから彼らの人物や人生が浮かび上がってくるかのようで、それがまた逸品でした。彼女がその恋慕の情を押し殺しながら仕えるヒーローの姿は特にイイです。会話は極めて少ないのですが、短い会話と、ヒロインが見つめ語る、その背中と横顔だけで、ヒロインの気持ちにどっぷり同調してしまうのは私だけではないでしょう。冷たくて屈折していますが、それでも、いやそれだからこそ、この若君さまは魅力にヤラレました…(^^ゞ
異世界の中華風ファンタジーではあるのですが、空想世界とは思えないほどのリアリティがあり、もし作品にその断り書きがなければ、私は、この作品が中国の実在する時代を背景とした物語であることを疑わなかったと思います。舞台背景、設定はもちろん、作中の細かいところまで、その配慮が行き届いているのです。上着を「袍」、寝台を「臥牀」と、中華的な表記、呼称を用いられているのですが、この表記一つで、ことさらの説明など必要なく、読み手はこの作品の舞台が中華的な世界であることを感じ取ることができます。こういうところは、本当に心憎いばかりであり、同時にとても嬉しく思いました。
以前にも申し上げたことがあるかと存じますが、小説はフィクションの世界、騙してナンボの世界であると私は思っております。読者として私は、気持ちよく騙されたくて、小説を読ませていただくわけです。作者さまが構築なさったその作品世界を読書を通じて味わっている間、いかに現実に立ち返らずにすむか、つまりは興醒めしないでいられるか…それが私にとって、そのオンライン小説をおもしろいと感じるか否かの境目であります。そして、矛盾しているようではありますが、気持ちよく騙されたいからこそ、現実を生きる人間として受け入れることができるようなリアリティ、現実実、説得力が、そのフィクションの世界は備えていてほしいと思うわけです。このオンライン小説は、舞台世界や設定など、わざわざそれについての長々しい説明などありませんが、それでも全編この作品世界を読者に容易に想像させ、納得させるだけの要素が散りばめられています。もちろん恋愛作品としてのドリームもばっちりです!私はは気持ちよく騙され、最後まで興醒めすることなく、この物語世界に酔い、浸ることができました。皆様も、ぜひぜひ酔いしれてきてくださいませ~(ハンカチ必須かも…(^^ゞ)
【小説】⇒【年齢制限付き作品】⇒【風車の節】とお進みください。
ちなこ様のサイトはこちら


もう、最高に切ないオンライン小説です。切なくて、切なくて、涙なくては読めません!しっとりとした雰囲気ではありますが、ある意味、激辛作品。
ヒロインと彼女が仕えるヒーローとの間には歴然とした身分の差、主従の関係が横たわっています。ヒロイン視点で語られる美しく丁寧な文章は女性的な柔和さに溢れ、その語調は全編、恭しい事この上ない敬語で通されていますが、決して読み辛さも、わざとらしさも感じません。ヒロインが主であるヒーローをいかに敬い、いかに自らを滅して、ただひたすら献身的に彼へ仕えているか、それがこの語調からも読者には自然と伝わり、そんな彼女が余計にいじらしく切なく、痛ましく感じられてくるのです。もう、女性読者であれば、この健気なヒロインに感情移入せずにはいられないでしょう。
ヒロインの語調もそれに一役買っているとは思うのですが、一つ一つのシーンはとても映像的で、情感があります。主役の二人をつなぐ青い風車、二人が夜を重ねたあとに、ヒーローの身を清めるヒロインのシーンの描写は特に切なく、とても印象的です。あまりにも献身的でいじらしいヒロインは、自身の分をわきまえすぎるくらいわきまえて、その言動は非常に謙(へりくだ)っているのですが、それでも読んでいて不愉快に感じる卑屈さはありませんでした。運命を受け入れながらも、それでも、そこには秘められた強い意志があり、嫋やかではあるけれど、芯の強い女性であるからだと思います。
彼女の口を借りて語られる他のキャラ、乳母である彼女の母もそして実家で働く若い番頭も、短く簡潔なシーンながらも、そこから彼らの人物や人生が浮かび上がってくるかのようで、それがまた逸品でした。彼女がその恋慕の情を押し殺しながら仕えるヒーローの姿は特にイイです。会話は極めて少ないのですが、短い会話と、ヒロインが見つめ語る、その背中と横顔だけで、ヒロインの気持ちにどっぷり同調してしまうのは私だけではないでしょう。冷たくて屈折していますが、それでも、いやそれだからこそ、この若君さまは魅力にヤラレました…(^^ゞ
異世界の中華風ファンタジーではあるのですが、空想世界とは思えないほどのリアリティがあり、もし作品にその断り書きがなければ、私は、この作品が中国の実在する時代を背景とした物語であることを疑わなかったと思います。舞台背景、設定はもちろん、作中の細かいところまで、その配慮が行き届いているのです。上着を「袍」、寝台を「臥牀」と、中華的な表記、呼称を用いられているのですが、この表記一つで、ことさらの説明など必要なく、読み手はこの作品の舞台が中華的な世界であることを感じ取ることができます。こういうところは、本当に心憎いばかりであり、同時にとても嬉しく思いました。
以前にも申し上げたことがあるかと存じますが、小説はフィクションの世界、騙してナンボの世界であると私は思っております。読者として私は、気持ちよく騙されたくて、小説を読ませていただくわけです。作者さまが構築なさったその作品世界を読書を通じて味わっている間、いかに現実に立ち返らずにすむか、つまりは興醒めしないでいられるか…それが私にとって、そのオンライン小説をおもしろいと感じるか否かの境目であります。そして、矛盾しているようではありますが、気持ちよく騙されたいからこそ、現実を生きる人間として受け入れることができるようなリアリティ、現実実、説得力が、そのフィクションの世界は備えていてほしいと思うわけです。このオンライン小説は、舞台世界や設定など、わざわざそれについての長々しい説明などありませんが、それでも全編この作品世界を読者に容易に想像させ、納得させるだけの要素が散りばめられています。もちろん恋愛作品としてのドリームもばっちりです!私はは気持ちよく騙され、最後まで興醒めすることなく、この物語世界に酔い、浸ることができました。皆様も、ぜひぜひ酔いしれてきてくださいませ~(ハンカチ必須かも…(^^ゞ)
【小説】⇒【年齢制限付き作品】⇒【風車の節】とお進みください。
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