春 の 雪
GENRE : オンライン小説 恋愛小説非R18 R15
SITE NAME : Aurora Garden
http://rinrin.saiin.net/~little-sugar/
MASTER : 灯凪 澪 様
CAUTION :





STORY ;
戦に敗れ、家臣により敵将に差し出された、城主の巫女妻・蓮花。一夜の伽を勤めれば、夫の命もまた領民の命も安堵されるはずだったのに、そうはならなかった。嫁いだとはいえ、華奢で幼い14才の蓮花を慮り、初夜を迎えることさえ待っていてくれた優しいが病弱な夫。彼は蓮花が敵に身を任せたその夜に、自らの保身を謀る家臣に殺されていた。激昂し剣をふるって夫の仇である家臣を切り捨てる蓮花だが、彼女を気に入った蛮族の将・善純は、領民の命と引き換えに、蓮花に自分の妻として自国に赴くことを約束させる…。
深窓育ちの姫とは思えない意志の強さを秘めた蓮花の金色の瞳。善純はその瞳が苦痛と快楽で涙で潤むのに、妙に情欲を煽られ彼女の体を強引に奪い続ける。斎の巫女姫、そして皇家と将軍家の姫としての蓮花の矜持と誇りは、どれほど善純にその体を蹂躙されても揺らぐことはなく、彼への憎悪と怨嗟を募らせていくが・・・。
数奇な運命に翻弄される彼女の心は何を求め、どこへ行くのか。
架空世界のファンタジーオンライン小説では、物語の舞台の特異な世界設定や状況説明に多くを費やされた物語が多いのですが、時にそれは複雑すぎ、あるいは説得力が足りずに、作者さまの思うところの世界が全て、読者の中に沁み込むのが難しい作品がよくあります。それでも戦いや魔法に重きをおいたファンタジーの場合は、読者の最大の興味は勝敗の行方や、主人公の成長や冒険にありますので、それらがおもしろく描かれていれば、舞台背景はそれほど気になりません。(すいません、はっちはそういうズボラな読者です。)けれども、それがその世界の歴史に翻弄される人間のドラマに重きをおいた作品の場合、その架空世界の歴史背景その他が、自然に、そしてリアリティと臨場感を持って読者に伝わらなければ、その舞台の上に構築された物語を楽しむことができません。その点、この作者さまは歴史に題材をとったオンライン小説の秀作も多い、大変歴史小説に造詣の深い作者さまですから、その辺りをすべてクリアしてくださっていますので、読者としては安心して、この世界に浸り、酔うことができました。
平安鎌倉時代の日本に似たこの世界。かっては帝の下に一つであった国が、物語の時点では、東は皇家とそれを守護する征夷将軍家、西は、皇家から離反し、蛮族と貶められている鎮西将軍を頭とする豪族の勢力の支配下にあります。ヒロイン蓮花は、皇家の姫を母に将軍を父にもつ巫女姫。東と西の境に領地のある夫の元に嫁いでまだ三月の高貴な少女です。体も心もまだ推さなく華奢、でもその性情は誇りたかく気丈です。
対する蛮族の将、善純。このネーミング、実ははっちは、これは作者さまの洒落ではないかと心中疑っております。なぜって彼は、お読みいただければわかると存じますが、ちっとも善でも純でもないからです。彼を一言で評して、一番近い表現は「S」もしくは、「鬼畜」ではないかと・・・(^^ゞ(お許しくださいませ灯凪さま。でもはっちはそんな鬼畜な善純さまが実は好きなんです・・土下座!)そんじょそこらのいじめっ子キャラは、軽~く、凌駕なさっておられるのです、このヒーローは。何をどうという細かいご説明は割愛いたします。そりゃあ、読まれてからのお楽しみでございますから。(笑)
けれども、この男、Sだし鬼畜系であるとは思うのですが、別に冷たいとか残酷という風ではありませんし、頭に血が上りやすい激情家というのでもないのです。極めて淡々と、平然と、普通に鬼畜でSなことをなさるわけです。まだ明かされていない謎もあるようでヒロインに対しては、なぜか執着はしているものの、それは今のところ恋情とかではない様子です。彼女を苛めて極めておもしろがっている。その一言に尽きます。その辺りが、先々どう転ぶかの興味も尽きず、大変おもしろいです。
やっていることの割には、平常心で蓮花に対応する善純に対して、まだ14才の蓮花は、状況が状況ですから無理もないのですが、キーキーキャーキャー、もううるさいくらい感情の起伏が激しい子どもとして描かれています。善純は彼女に自分の命をねらう許可を与えるのですが、成功などするはずなく、いつも返り討ちにあっています。それでも懲りずに彼に対抗しようとする彼女の根性というか気の強さはスゴイです。ただ、今のところ、いくら気丈でも、本当に弱い犬ほどよく吼える系のうるささとお子様具合で、心身ともに成熟し安定した成人男性である善純には、あらゆる意味で全く歯がたちません。誇り高く気丈ではあっても、心身も、また頭の中身も全くのお子様の蓮花。変に老成した大人びた少女として描かれていないところが、この物語のリアルでおもしろいところだと思うのですが、あまりにもやられっぱなしなものですから、彼女が早く成長して、この先善純にどういう形でもよいので、一泡食わせてくれるのを、読者として私は心から楽しみに待っているのです。(というか、そうなってほしいです!)
キャラの印象が強すぎてそればかりを述べてまいりましたが、この作品はキャラの魅力だけではなく、ストーリーも文章もすばらしいオンライン小説だと思います。特に、先に述べた世界設定と歴史的背景も過不足なく描かれているからこそ、キャラも生き生きと動き、ストーリーもここまでおもしろくなった作品であるに違いありません。さまざまなシーンで、その舞台設定ゆえのリアリティある描写が生きていますし、文章もとてもいいです。読みやすくわかりやすく丁寧。それでいて、歴史物語にふさわしいどこか古典的な雰囲気も漂います。読者としてのかってな要望であり、決め付けかもしれませんが、たとえそれが架空史であっても、仮にも歴史を題材とした作品であるならば、この作者さまの文章のように、格とでも呼ぶべき、美しさと正しさと風情は絶対にあってほしいと思うのです。
今更言うまでもないですが、情事のシーンは非常に官能的です。オトナと子ども。男と女。西と東。西の蛮族の将と東の雅な姫。その対比と対立のロマンとエロスを堪能できる作品だと思います。
灯凪澪様のサイトはこちら


数奇な運命に翻弄される彼女の心は何を求め、どこへ行くのか。
作品のご紹介&感想
架空世界のファンタジーオンライン小説では、物語の舞台の特異な世界設定や状況説明に多くを費やされた物語が多いのですが、時にそれは複雑すぎ、あるいは説得力が足りずに、作者さまの思うところの世界が全て、読者の中に沁み込むのが難しい作品がよくあります。それでも戦いや魔法に重きをおいたファンタジーの場合は、読者の最大の興味は勝敗の行方や、主人公の成長や冒険にありますので、それらがおもしろく描かれていれば、舞台背景はそれほど気になりません。(すいません、はっちはそういうズボラな読者です。)けれども、それがその世界の歴史に翻弄される人間のドラマに重きをおいた作品の場合、その架空世界の歴史背景その他が、自然に、そしてリアリティと臨場感を持って読者に伝わらなければ、その舞台の上に構築された物語を楽しむことができません。その点、この作者さまは歴史に題材をとったオンライン小説の秀作も多い、大変歴史小説に造詣の深い作者さまですから、その辺りをすべてクリアしてくださっていますので、読者としては安心して、この世界に浸り、酔うことができました。
平安鎌倉時代の日本に似たこの世界。かっては帝の下に一つであった国が、物語の時点では、東は皇家とそれを守護する征夷将軍家、西は、皇家から離反し、蛮族と貶められている鎮西将軍を頭とする豪族の勢力の支配下にあります。ヒロイン蓮花は、皇家の姫を母に将軍を父にもつ巫女姫。東と西の境に領地のある夫の元に嫁いでまだ三月の高貴な少女です。体も心もまだ推さなく華奢、でもその性情は誇りたかく気丈です。
対する蛮族の将、善純。このネーミング、実ははっちは、これは作者さまの洒落ではないかと心中疑っております。なぜって彼は、お読みいただければわかると存じますが、ちっとも善でも純でもないからです。彼を一言で評して、一番近い表現は「S」もしくは、「鬼畜」ではないかと・・・(^^ゞ(お許しくださいませ灯凪さま。でもはっちはそんな鬼畜な善純さまが実は好きなんです・・土下座!)そんじょそこらのいじめっ子キャラは、軽~く、凌駕なさっておられるのです、このヒーローは。何をどうという細かいご説明は割愛いたします。そりゃあ、読まれてからのお楽しみでございますから。(笑)
けれども、この男、Sだし鬼畜系であるとは思うのですが、別に冷たいとか残酷という風ではありませんし、頭に血が上りやすい激情家というのでもないのです。極めて淡々と、平然と、普通に鬼畜でSなことをなさるわけです。まだ明かされていない謎もあるようでヒロインに対しては、なぜか執着はしているものの、それは今のところ恋情とかではない様子です。彼女を苛めて極めておもしろがっている。その一言に尽きます。その辺りが、先々どう転ぶかの興味も尽きず、大変おもしろいです。
やっていることの割には、平常心で蓮花に対応する善純に対して、まだ14才の蓮花は、状況が状況ですから無理もないのですが、キーキーキャーキャー、もううるさいくらい感情の起伏が激しい子どもとして描かれています。善純は彼女に自分の命をねらう許可を与えるのですが、成功などするはずなく、いつも返り討ちにあっています。それでも懲りずに彼に対抗しようとする彼女の根性というか気の強さはスゴイです。ただ、今のところ、いくら気丈でも、本当に弱い犬ほどよく吼える系のうるささとお子様具合で、心身ともに成熟し安定した成人男性である善純には、あらゆる意味で全く歯がたちません。誇り高く気丈ではあっても、心身も、また頭の中身も全くのお子様の蓮花。変に老成した大人びた少女として描かれていないところが、この物語のリアルでおもしろいところだと思うのですが、あまりにもやられっぱなしなものですから、彼女が早く成長して、この先善純にどういう形でもよいので、一泡食わせてくれるのを、読者として私は心から楽しみに待っているのです。(というか、そうなってほしいです!)
キャラの印象が強すぎてそればかりを述べてまいりましたが、この作品はキャラの魅力だけではなく、ストーリーも文章もすばらしいオンライン小説だと思います。特に、先に述べた世界設定と歴史的背景も過不足なく描かれているからこそ、キャラも生き生きと動き、ストーリーもここまでおもしろくなった作品であるに違いありません。さまざまなシーンで、その舞台設定ゆえのリアリティある描写が生きていますし、文章もとてもいいです。読みやすくわかりやすく丁寧。それでいて、歴史物語にふさわしいどこか古典的な雰囲気も漂います。読者としてのかってな要望であり、決め付けかもしれませんが、たとえそれが架空史であっても、仮にも歴史を題材とした作品であるならば、この作者さまの文章のように、格とでも呼ぶべき、美しさと正しさと風情は絶対にあってほしいと思うのです。
今更言うまでもないですが、情事のシーンは非常に官能的です。オトナと子ども。男と女。西と東。西の蛮族の将と東の雅な姫。その対比と対立のロマンとエロスを堪能できる作品だと思います。
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