竜 の 婚 姻
GENRE : オンライン小説 恋愛小説非R18 R15
SITE NAME : 「深 海 溝」 15R
http://shin.oops.jp/novels_index.htm
MASTER : 北 条 朝 子 様

CAUTION :




STORY ;
人間を憎み、屠り続けてきた竜が、ある日歌声に誘われて、塔の上へと降り立つ。歌声は、塔に幽閉されていた美しい盲目の娘の声だった。 竜は娘を威嚇するが、彼女は恐れることなく竜に近づきその体に触れる。やがて、視線が交差し、娘の青い瞳は、竜の奥底の深い何かを見つめ、竜もまた娘が己の本質を見たと知る。竜は娘を求め、娘は歌っていたときと同じく、よく通る美しい声で竜に告げた。「私は貴男に応えます」
―――盲目の姫を見初めた竜の物語
作品のご紹介&感想
サイトに15歳未満の年齢制限がかかっておりますが、それは大人向けの性描写があるという意味ではなく、あくまで、お子様にはむかない、楽しめないという意味ではないかと思います。確かに、この作者さまのオンライン小説のすばらしい味わいは、大人の女性でなければわからないかもしれません。ダークで耽美な短編を得意となさる作者さまで、その中でも、この作品は長さがあるほうです。文章の美しさ、完成度は言うまでもないのですが、数々のストーリーを生み出す、イマジネーションの深さと豊かさには、ただただ驚きです。どの短編も、長編作品として成り立つに充分な、奥行きと広がりのある物語ばかりです。それをあえて、短い物語にまとめてらっしゃるのですから、その凝縮された濃さと深さは、うーんと唸るしかありません。
竜の姿をとったままでの性交シーンがありますが、マニアックなグロテスクさなど露ほども感じず、運命に導かれた二人(一人と一匹?)の、まるで宗教的な儀式なように印象的なシーンとして、私は感じました。姫以外の者に対しては、竜としての本質そのままに、平然と殺戮を行う流血シーンさえも、残虐というより、彼の気質の激しさを表すシーンとして非常に色鮮やかに心に残っています。
盲目の姫のため、命を賭してまで人間になろうとする竜、見えないとは言え、人あらぬ竜であることを知りながら、本気で竜を愛し受け入れた姫。狂おしいほどにお互いを求め合う、竜と盲目の姫とのこの物語は、やはり、非常に官能の香が満ちています。極限まで削り落とされ、研ぎ澄まされた文章で語られる、同じく相手を求める感情以外は全て削り落とされた恋の物語は、もう、いうまでもなく、ドラマティックでロマンティックで、エロティックでした。あらゆる意味で、大人の女性にしか味わえない大人の女性ための極上のファンタジーオンライン小説ではないかと思います。北条朝子様のサイト15Rはこちら


