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・長編
/完結/
歴史
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オ ダ リ ス ク
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SITE NAME : ワカメノ浅知恵 http://www.tinaco.sakura.ne.jp/
MASTNER : ち な こ 様 CAUTION : 
STORY ; Odalisque(オダリスク)――後宮の女奴隷のこと。 ツイーは、十四の年に後宮に入った。皇帝(スルタン)に捨て置かれた女―彼女は六年の間、そう呼ばれ続けていた。母国を皇帝の初陣の贄として攻められ、父王を殺された朝に操を奪われて以来、皇帝がツイーに触れることはない。それでも彼は、時折ツイーの部屋を訪れては、香時計から細く白い煙がたちのぼるわずかの時間だけ、広い寝台に一人横たわる。その間、ツイーは窓辺に坐りながら、失われた母国への哀悼と鎮魂の歌をひとり口ずさむ。彼女は気づかなかった。皇帝がいつも、空寝をしながら彼女の歌声を聞いていることに・・・。
人質として後宮へ入った王女と、年若い皇帝の物語。
INTRODUCTION : この作者さまが描くヒストリカルの後宮もの?は、もう逸品です。アングルのあの名画オダリスクを彷彿させる世界なのです。トルコの後宮、オダリスク、女奴隷。女性たちが、たった一人の権力者の寵愛と関心を買うためだけに存在する世界。かってトルコが世界の覇者だった時代、皇帝(スルタン)の後宮には世界中の女達が集められたと言われています。大奥などに比べて、それについての情報と知識が私たち日本人には足りない分だけ、一層それはファンタジックで官能的な世界に思えます。かのアングルも、文献と想像だけで、あの官能的な名画を描いたように、この物語もおそらく、ちなこさまのイマジネーションによって彩られた部分が大きいとは思います。それでも、この作品は、私たちが、後宮という言葉にイメージする世界をそのまま、あるいはそれをもっと深く豊かに印象的に描いて見せてくださいました。 薔薇水、ハマム(トルコ風浴場)、白檀の香時計、もう、小道具や細かな舞台の設定とその描写が、憎いくらいお上手です。まるでヨーロッパのミニシアター系の映画を見ているかのようです。この物語を初めて読んだ時、私は思わずアラベスク模様に彩られた宮殿が目に浮かび、しばしトリップしてしまいました。 官能的な舞台ではあっても、直接的な性的表現はほとんどありません。にもかかわらず、全編にはファンタジックでエキゾチックな官能的な香と雰囲気が溢れています。それは鮮烈で、そして不思議な清涼感がありました。読者を酔わせ、魅了する世界であり、物語であり、文章だと思います。あらゆる意味で極上のロマンとエロスを感じることができる作品です。
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