緋 花 の 家
GENRE : オンライン小説 恋愛小説R18
SITE NAME : Nocturne 夜想曲 18R
http://krkmoon.milky.ne.jp/
MASTER : 守 谷 優 生 様
CAUTION :





STORY ;
薔薇に囲まれた古い家に一人の若く美しい女性が引っ越してくる。そこが気に入って隠れ家にしていた、その家の大家の息子幸樹はそれがおもしろくない。しかし、彼女(凛々子)を一目見た途端、そんな気持ちも霧散してしまう。彼女は古い友人の姪、そしてその家の正統な持ち主であると母は言う。彼女は別れを切り出し、家を出た夫を追ってこの生まれ故郷の町にもどってきたのであり、しかも、夫は20才も年上で、その夫の亡くなった前妻こそが、母の友人であり彼女の叔母であった女性だというのだ。若さに似合わぬ落ち着いたその物腰と不思議な雰囲気をもつ凛々子に幸樹は違和感を覚えるが、彼女に惹かれる気持ちを抑えることができない。
薔薇の家に越してきた夜、凛々子は人ならぬ者に襲われる。翌日もそれは現われるが幸樹の訪問で慌てて去っていく。幸樹に不思議な言葉をほのめかす凛々子は、自分を襲った者の正体もそれと幸樹との関係もわかっている様子。年齢差はあれど夫拓真を愛し、幸せな家庭を築いてきた凛々子。彼女を愛しながらも別れを切り出した夫拓真の真意とは?凛々子と叔母緋美子、また幸樹との間にはどんな秘密があるのか?薔薇の咲き乱れる緋花の家には二重三重の謎が秘められている・・・・。
ミステリアスで、オカルト風味がある、不思議で個性的なオンライン小説です。
最初はヒロインと夫、ヒロインと彼女に憧れる青年の年の差か三角関係が軸になる恋愛物語かと思いましたが、そう単純?なストーリーではありませんでした。物語には、不思議な謎がいくつも、隠されていました。
特に物語の導入部、最初の謎が明かされるまで、幸樹以外の視点で進められる部分では、奥歯にものがひっかかったような違和感と苛つきを読者に感じさせながらストーリーは進みます。紹介文で作者さま自らそれを明かしてらっしゃるので、ここで申しあげても問題はないかと思いますのでひとつだけネタバレさせていただきますが、ヒロイン凛々子、その体は確かに凛々子ですが、実は、その意識というか魂は亡くなった前妻、緋美子なのです。
かなりオカルト(超常現象)?的ですし、突飛なのですが、読者はそれをストンと受け入れてしまいます。それは、薔薇に囲まれた古い家という、暗さやおどろおどろしい雰囲気は微塵もないにも関わらずどこか幻想的に描かれていたロマンティックな舞台設定と作者さまの描写力のせいかもしれません。凛々子(緋美子)の謎が明かされてからが、物語が本格的に動き、面白さが加速していくのですが、物語の本筋はあくまで恋愛です。そして、それらオカルト風の設定がこの恋愛物語を、とても新鮮で印象的、そして官能的なものにしていました。
現在と過去が交錯しながら物語は進んでいきますが、若き日の緋美子と後に結婚する太陽のように明るく健やかな拓真の恋は、性的なシーンも含めて瑞々しく鮮烈で、青春の輝きそのもののように思えました。けれども影があるからこそ光が際立つように、対比する対象があるからこそ、その光が一層輝かしいことに読者はやがて気づきます。光を輝かせる陰、それがこの物語には秘められており、それこそがこの物語の魅力ではないかと私は思いました。その影とは、第三の男性である幸樹の叔父、やがては人ならぬ身になっても凛々子(緋美子)への妄執を捨てきれない正樹の存在です。拓真が太陽であるならば、彼はさしづめ闇と死、生殖を司り、また禁忌の象徴でもある月のようです。彼は単なる恋敵や仇役として描かれているわけではなく、もっと奥深い謎と不条理を秘めながら物語の影に潜んでいました。
彼とのシーンは、直接的な描写は(まだ)ないにも関わらず、拓真とのシーン以上に官能的に感じられました。特に中学生だった緋美子と彼との、情事と呼ぶには語弊がある突発的な事故のような初めての接触は、淫靡というよりもむしろ神秘的であり非常に衝撃的でした。性的な部分だけがこの物語の魅力ではありませんが、性(セックス)とはこの上なく肉体的でありながら、霊的なものに重なる神秘性があることにあらためて気づかされ、それがとても新鮮でした。
陰と陽、光と影、そしておそらく精神と肉体。対極にあるそれらの対比が、この不思議な恋の物語を鮮やかに彩っています。物語はまだ中盤で、更新もそれほど早くはありません。けれども、この物語がこれからどのように動いていくのか、過去編での緋美子と正樹、そして現在の凛々子と拓真、凛々子と幸樹の関係はどうなっていくのか、とても楽しみなオンライン小説です。
守谷優生様のサイト18Rはこちら


作品のご紹介&感想
ミステリアスで、オカルト風味がある、不思議で個性的なオンライン小説です。
最初はヒロインと夫、ヒロインと彼女に憧れる青年の年の差か三角関係が軸になる恋愛物語かと思いましたが、そう単純?なストーリーではありませんでした。物語には、不思議な謎がいくつも、隠されていました。
特に物語の導入部、最初の謎が明かされるまで、幸樹以外の視点で進められる部分では、奥歯にものがひっかかったような違和感と苛つきを読者に感じさせながらストーリーは進みます。紹介文で作者さま自らそれを明かしてらっしゃるので、ここで申しあげても問題はないかと思いますのでひとつだけネタバレさせていただきますが、ヒロイン凛々子、その体は確かに凛々子ですが、実は、その意識というか魂は亡くなった前妻、緋美子なのです。
かなりオカルト(超常現象)?的ですし、突飛なのですが、読者はそれをストンと受け入れてしまいます。それは、薔薇に囲まれた古い家という、暗さやおどろおどろしい雰囲気は微塵もないにも関わらずどこか幻想的に描かれていたロマンティックな舞台設定と作者さまの描写力のせいかもしれません。凛々子(緋美子)の謎が明かされてからが、物語が本格的に動き、面白さが加速していくのですが、物語の本筋はあくまで恋愛です。そして、それらオカルト風の設定がこの恋愛物語を、とても新鮮で印象的、そして官能的なものにしていました。
現在と過去が交錯しながら物語は進んでいきますが、若き日の緋美子と後に結婚する太陽のように明るく健やかな拓真の恋は、性的なシーンも含めて瑞々しく鮮烈で、青春の輝きそのもののように思えました。けれども影があるからこそ光が際立つように、対比する対象があるからこそ、その光が一層輝かしいことに読者はやがて気づきます。光を輝かせる陰、それがこの物語には秘められており、それこそがこの物語の魅力ではないかと私は思いました。その影とは、第三の男性である幸樹の叔父、やがては人ならぬ身になっても凛々子(緋美子)への妄執を捨てきれない正樹の存在です。拓真が太陽であるならば、彼はさしづめ闇と死、生殖を司り、また禁忌の象徴でもある月のようです。彼は単なる恋敵や仇役として描かれているわけではなく、もっと奥深い謎と不条理を秘めながら物語の影に潜んでいました。
彼とのシーンは、直接的な描写は(まだ)ないにも関わらず、拓真とのシーン以上に官能的に感じられました。特に中学生だった緋美子と彼との、情事と呼ぶには語弊がある突発的な事故のような初めての接触は、淫靡というよりもむしろ神秘的であり非常に衝撃的でした。性的な部分だけがこの物語の魅力ではありませんが、性(セックス)とはこの上なく肉体的でありながら、霊的なものに重なる神秘性があることにあらためて気づかされ、それがとても新鮮でした。
陰と陽、光と影、そしておそらく精神と肉体。対極にあるそれらの対比が、この不思議な恋の物語を鮮やかに彩っています。物語はまだ中盤で、更新もそれほど早くはありません。けれども、この物語がこれからどのように動いていくのか、過去編での緋美子と正樹、そして現在の凛々子と拓真、凛々子と幸樹の関係はどうなっていくのか、とても楽しみなオンライン小説です。
守谷優生様のサイト18Rはこちら


