TOKYO SEASONS
小世ロンさま、今まですてきな作品を公開してくださってありがとうございました。
いつの日か再び、小世さまの作品を拝読できることを心から願っております。
GENRE : オンライン小説 恋愛小説非R18 R指定なし
SITE NAME : Stray Truth Seeker's
MASTER : 小世 ロン 様
CAUTION :


STORY ;
基との結婚は、家同士、会社同士の思惑が絡んだものだが、優雨に異論はなかった。基の言動は冷めていたが、優雨を見つめる彼の瞳はきれいだったし、出会いの日、思いがけず小さなプレゼントを贈ってくれた嬉しさとその時の基の笑顔が忘れられなかったからだ。その出会いが周囲にお膳立てされたものだとわかって少し夢から醒めたが、それでもよかった。結婚に密かな憧れをもっていた優雨は、結婚前は無理でも、徐々に愛情と信頼を深めてお互いに支えあえる夫婦になりたいと思っていたし、基とならそれができると思っていた。
しかし、挙式後に新居で二人きりになったとたん、不機嫌に声を荒げたかと思うと、結婚初夜から花嫁を残して、何も言わずに出て行ってしまう基に優雨は途方にくれる。思えば、挙式の日が決まったあたりから、彼の彼女への態度は変わり、日に日に無感情、無関心になっていった・・・。今更のようにそれに不安を募らせる優雨。
翌日の夜、ようやく戻って来た基との距離を何とか縮めようと明るく振舞う優雨に、彼はこの結婚は会社の為にした書類だけの関係だと冷たく宣告する。混乱し、涙する優雨は実家へと足を向けるが、多大な利益を実家にもたらし、娘が幸せな結婚をしたと信じている両親には何も言うことができなかった。孤独に苛まれ、長い時間高架橋の上で一人佇む優雨を不審に思った准一は声をかけるが、その飄々とした物言いに腹を立てた優雨は家に戻る。しかし、そこで優雨を待っていたのは、基の幼馴染だという美しい女性と彼女が告げる残酷な事実だった――。
作品のご紹介&感想
屈折ヒーロー・辛口・すれちがい・切ない系が大好きなはっちのツボど真ん中のオンライン小説です。ヒロイン、ヒーロー共にセレブですので、どことなくハーレーロマンス風な部分もあるのですが、ヒーローの屈折具合が半端じゃあありません。そのせいで、甘さがギリギリまで押さえてあるところなども実に好みです。ヒロインを甘やかさないストーリーは、読んでいて、切なさを超えてかなり痛い部分もあるのですが、だからこそ、非常にドラマティックであり、読者はひきつけられるに違いありません。
愛人なども登場しますので、ひとつ間違えば、昼ドラどろどろ系になってしまうのでしょうが、物語には不思議な透明感と繊細さがあり、決して息苦しくも重苦しもないのです。おそらくそれは、読者が共感せずにはいられない、育ちのよさが滲み出る純粋でいじらしいヒロイン。そのヒロインへの言動は許しがたく、とんでもなく屈折してはいるものの、その内面の傷ついた少年のような痛ましさに、読者として彼の救済を求めてしまうヒーロー。そして傷ついたヒロインの心を癒すことになり、あらゆる意味で基と対極にいる優しく明るく、そしてちょっとだけ軽い第二のヒーロー?准一。この三人のキャラの魅力によるものと、彼らの心情を丁寧にわかりやすく、そして情感をもって描かれた作者さまの筆力ゆえだと思います。
ヒロイン視点で始まる物語は、ヒーローと出合ったときのときめきや喜び、挙式後に豹変する彼へのとまどいや驚き、残酷な彼の仕打ちにより夢を打ち砕かれた彼女の衝撃と哀しみなど、作中の彼女の体験と気持ちを痛いほど自分のものとして感じることできます。そして、それでもヒーローを慕う気持ちを捨てきれない切ないヒロインの心情までも読者は共感できてしまうのです。ヒロインに感情移入しすぎたせいでしょうか、いつもなら感じるであろう、こんなヒーローはヤメテシマエ感はこの作品に関してはありませんでした・・・・(^^ゞ
いくら屈折ヒーロー・すれちがい・辛口と、はっち好みの要素を備えているからといって、これほどまでに読んでいてずきずききゅんきゅんできる物語もそうあるものではありません。もう作者さまの巧みさに脱帽するしかありません。
性的なシーンはほのめかし程度にしかないのですが、激しくすれちがう夫婦の物語ですから、少しでも二人の心が触れ合った場合のスキンシップは、たとえそれが手を取り合うシーン一つでも、官能描写満載のベッドシーンと同じくらい読んでいてどきどきいたしました。そういう意味では私メにとっては充分官能的な物語でありますし、お読みになっていただければ、はっちと感想を同じくする方も多いのではないかと思います。
物語は最後までどうなるかわからず、読者ははらはらどきどきしながら読み進むしかないのです。はっちは王道ベタのハーレー風ロマンスも好きですが、普通のハーレー風のそれのように早々簡単には先が読めなかったのがこのオンライン小説であり、それが読者として何よりおもしろく嬉しかったです。

翌日の夜、ようやく戻って来た基との距離を何とか縮めようと明るく振舞う優雨に、彼はこの結婚は会社の為にした書類だけの関係だと冷たく宣告する。混乱し、涙する優雨は実家へと足を向けるが、多大な利益を実家にもたらし、娘が幸せな結婚をしたと信じている両親には何も言うことができなかった。孤独に苛まれ、長い時間高架橋の上で一人佇む優雨を不審に思った准一は声をかけるが、その飄々とした物言いに腹を立てた優雨は家に戻る。しかし、そこで優雨を待っていたのは、基の幼馴染だという美しい女性と彼女が告げる残酷な事実だった――。
作品のご紹介&感想
屈折ヒーロー・辛口・すれちがい・切ない系が大好きなはっちのツボど真ん中のオンライン小説です。ヒロイン、ヒーロー共にセレブですので、どことなくハーレーロマンス風な部分もあるのですが、ヒーローの屈折具合が半端じゃあありません。そのせいで、甘さがギリギリまで押さえてあるところなども実に好みです。ヒロインを甘やかさないストーリーは、読んでいて、切なさを超えてかなり痛い部分もあるのですが、だからこそ、非常にドラマティックであり、読者はひきつけられるに違いありません。
愛人なども登場しますので、ひとつ間違えば、昼ドラどろどろ系になってしまうのでしょうが、物語には不思議な透明感と繊細さがあり、決して息苦しくも重苦しもないのです。おそらくそれは、読者が共感せずにはいられない、育ちのよさが滲み出る純粋でいじらしいヒロイン。そのヒロインへの言動は許しがたく、とんでもなく屈折してはいるものの、その内面の傷ついた少年のような痛ましさに、読者として彼の救済を求めてしまうヒーロー。そして傷ついたヒロインの心を癒すことになり、あらゆる意味で基と対極にいる優しく明るく、そしてちょっとだけ軽い第二のヒーロー?准一。この三人のキャラの魅力によるものと、彼らの心情を丁寧にわかりやすく、そして情感をもって描かれた作者さまの筆力ゆえだと思います。
ヒロイン視点で始まる物語は、ヒーローと出合ったときのときめきや喜び、挙式後に豹変する彼へのとまどいや驚き、残酷な彼の仕打ちにより夢を打ち砕かれた彼女の衝撃と哀しみなど、作中の彼女の体験と気持ちを痛いほど自分のものとして感じることできます。そして、それでもヒーローを慕う気持ちを捨てきれない切ないヒロインの心情までも読者は共感できてしまうのです。ヒロインに感情移入しすぎたせいでしょうか、いつもなら感じるであろう、こんなヒーローはヤメテシマエ感はこの作品に関してはありませんでした・・・・(^^ゞ
いくら屈折ヒーロー・すれちがい・辛口と、はっち好みの要素を備えているからといって、これほどまでに読んでいてずきずききゅんきゅんできる物語もそうあるものではありません。もう作者さまの巧みさに脱帽するしかありません。
性的なシーンはほのめかし程度にしかないのですが、激しくすれちがう夫婦の物語ですから、少しでも二人の心が触れ合った場合のスキンシップは、たとえそれが手を取り合うシーン一つでも、官能描写満載のベッドシーンと同じくらい読んでいてどきどきいたしました。そういう意味では私メにとっては充分官能的な物語でありますし、お読みになっていただければ、はっちと感想を同じくする方も多いのではないかと思います。
物語は最後までどうなるかわからず、読者ははらはらどきどきしながら読み進むしかないのです。はっちは王道ベタのハーレー風ロマンスも好きですが、普通のハーレー風のそれのように早々簡単には先が読めなかったのがこのオンライン小説であり、それが読者として何よりおもしろく嬉しかったです。

