わがままマリー
春の学園もの特集 第3弾

GENRE : オンライン小説 恋愛小説R18
SITE NAME : orange noise *
http://dahlia.chew.jp/orangenoise/
MASTER : 有瀬 弥生 様

CAUTION :


STORY ;
二重人格の女の子、金澤恵と彼女にメロメロな男の子、辻村要。
二人の仲は、秘密です。 ――作者さま作品紹介文より
作品のご紹介と感想
爆笑タイプではありませんが、ラブコメ・ロマコメの秀作です!とても力量のある作者さまでいらして、シリアス系のお話も、ものすごく読みごたえがございます。そういう方が、もう、はじけて、楽しんで書いてらっしゃるラブコメですから、もう読んでいて楽しいったらありゃしない!
物語はヒーロー視点です。このヒロインに甘くてメロメロ、そのくせ艶っぽいシーンでは押しの強いヒーローの、なんと可愛くて魅力的なことでしょう。はっちの愛するじれじれ切ない系作品に多く登場する冷たくてひねくれたヒーローもイイですが、素直でストレート、それでいてしたたかなこのヒーロー君の魅力はもう格別です。小悪魔のようなという表現はよく女性につかわれますが、彼は男性ではありますが、まさしく小悪魔的な魅力にあふれた男の子です。読者の皆様もお読みになったら、きっとメロメロになるのではないかと、はい。
作者さま自ら作品のご紹介でその設定を述べておられるので、ネタバレにはならないかと存じますが、ヒロインは二重人格です。そのユニークな設定と作者さまの巧さが、この作品をラブでえっちな日常を綴るだけの凡庸な作品にはさせません。ネットには膨大な数のラブエッチ系作品が氾濫しておりますし、その明るくて楽しい雰囲気ははっちも好きですが、正直私メが楽しめるらぶえっち作品はとても少ないので、そういう意味でもこの作品はとても貴重です。
恋愛作品であれば、その王道はやはり、恋愛の成就、もしくは喪失でその物語はエンドとなることではないかと思います。成就といっても、それが恋が実ることで終わるか、あるいは肉体的に結ばれて絆が深まることで終わるか、あるいは結婚か、それはさまざまですが、とにかく主役の二人が結びついてエンドです。両思いになったあと、肉体的な関係までの紆余曲折を経るパターンもありますし、なんらかの障害によって引き離されたり、すれちがったりで、じれじれはらはらさせられることもありますが、最終的には成就か破局が待っています。心と体と人生・・・それらが紆余曲折を経ながらも結びつく、もしくは離れてゆくまでがおもしろく、それこそが恋愛作品の醍醐味ではないかと思います。
ところが、らぶえっち系の作品で、恋が成就し、肉体的な関係を持った後、さしたる障害もない、ラブでえっちでハッピーな日々を綴った作品をよく見かけるのですが、それらは上の王道的見地?からするとかなり変則的です。ラブ甘なエッチな日々を描きたいという作者さまたちのお気持ちはわかるのですが、そこに恋愛作品の必須アイテム 「障害」 が抜けてしまうと、劇的な要素を何より好む私メにとってはもう、気のぬけたコーラに等しくなってしまいます。
日常的に繰り返される情事であれば、そこに劇的な盛り上がりはないに等しく、あるいはその描写に優れた官能作品のような+αがあればまた別の楽しみもありますが(笑)、それもなければただただいいちゃいちゃ・ヤッテイルだけ・・・(コホン)劇的に盛り上がりエンドを迎えた本編後の番外編としてなら大歓迎なのですが、恋が成就する本編よりも、後日談であるはず(はっちにとっては)のラブでエッチな日々だけが延々と続く物語は、スレタ読者である私メはそういうわけであまり楽しめません。
しかし、こちらの作品は、ラブでエッチな日々を綴った楽しく明るいラブコメディでありながら、恋愛作品の必須アイテム 『障害』 をしっかり盛り込んでくださっておりますので、はっちと同じ様にただ甘いだけのラブエッチ作品が苦手な方も充分楽しませていただけます。しかも、それは二人のハッピーな日々を邪魔する性質ではないので、明るさと楽しさは決して損なわれてはいないのです。これはもう作者さまが巧いとしか申せません。
いつものご紹介ですとベッドシーンは大抵情事という言葉で表しておりましたが、明るく楽しいこの作品にその言葉は重すぎます。明るく楽しく爽やか?な若い二人のベッドシーンはまさしくらぶえっち!小悪魔的でセクシーな二人ですから、(ヒーローだけではなくヒロインにも小悪魔的な一面があります)決して初々しいという風ではありませんが、若さにふさわしい、軽やかな明るいエロチシズムを楽しませていただけます。
明るく綴る物語の中に、それとなく情感をもってキャラの心情を滲ませる、文章の巧みさも、これまた秀逸。サイトには他にも、作者さまの都会的なセンスと巧さ、魅力的なキャラが登場する素敵な作品がたくさんあります♪
有瀬 弥生様のサイトはこちら


